2026年7月、主要各国で法制度と政治プロセスを巡る重要な動きが相次いでいる。米国ではトランプ大統領府が、11月の中間選挙を前に郵送投票を制限する大統領令の執行を最高裁に求める緊急申請を行った。同時にチャドは国際刑事裁判所(ICC)からの離脱を正式に表明し、司法・政治の国際的枠組みにも影響が及んでいる。
米司法省は、下級裁判所が停止していた大統領令の執行を一時再開するよう最高裁に要請した。大統領令は連邦機関に対し有権者名簿の作成を命じ、米国郵便公社に対し名簿登録者へのみ郵送投票用紙の配達を義務付けている。政府側はこれを州の選挙運営を直接指示するものではなく「一般的な政策指針」であると主張し、実装機関が現在も検討中である点を強調している。一方、民主党系議員が関与する23州およびワシントンD.C.は、憲法が選挙規則の決定権を州と議会に与えていると反発し、訴訟を起こしている。ボストンの連邦地方裁判所は既に執行停止を命じており、第一巡回控訴裁判所もこの判断を支持している。
国際刑事裁判所(ICC)を巡っては、チャドが同裁判所の活動が「限定的で偏在している」とし、アフリカ諸国に焦点を当てているとして離脱を表明した。これは米国がICCに対して制裁を脅し、加盟国の見直しを促した動きに続くものである。ベネズエラ、ブルキナファソ、マリ、ニジェールも同様の離脱プロセスを開始しており、既にブルンジとフィリピンが離脱済みである。司法分野でも各国で重要な判断が下されており、インド最高裁はNEET試験の答案漏洩問題に対し構造改革の必要性を指摘し、ナンダン・ニレカーニ氏が率いるタスクフォースの設置を認めた。スペインでは元組織局長のサントス・セルダン被告を巡る汚職事件で国家憲兵隊が家族の銀行口座調査を認可され、同国の外交官の海外赴任配分システムを巡る訴訟もマドリードの高等裁判所で審理されている。パキスタンではパンジャブ州弁護士会の代表団が最高裁判所長官と面会し、電子図書館の整備やデジタルリテラシー向上を協議した。南アフリカでは道路事故基金(RAF)が最高裁判決に基づき請求書様式への復帰を発表し、消滅時効の猶予を適用する方針を示した。
これら一連の動きは、各国の選挙制度の透明性確保、司法の独立性と効率性の向上、そして国際法廷の権威維持を巡る緊張関係を示している。米国の郵送投票を巡る訴訟は中間選挙の行方を左右する潜在的要因となり、ICC離脱の相次ぐ表明は国際刑事司法の統一性に課題を突き付けている。各国の司法機関がデジタル化や構造改革に着手する一方で、制度運用をめぐる法的争いは引き続き注視される必要がある。