ブラジルの最高裁は16日、ジャイル・ボルソナロ前大統領の長男エドゥアルド・ボルソナロ氏に対し、国外でのロビー活動を通じて司法手続きを妨害したとして、懲役4年2ヶ月の刑を言い渡した。同氏は2025年2月より米国テキサス州に居住しており、判決は欠席裁判で下された。判決に伴い、公職就任禁止8年と最低賃金の100倍に相当する約3万1700ドルの罰金が科される。
裁判所は、エドゥアルド氏が米国在住中、ドナルド・トランプ米政権に対し、父のクーデター未遂容疑裁判を妨害するためブラジルへの経済制裁や関税導入を働きかけたと認定した。アレクサンドレ・デ・モレス裁判官は「立法府の議員が国外の政府に対し自国の司法を圧迫するロビー活動を行うことは許されない」と指摘。エドゥアルド氏は判決後、X(旧ツイッター)で「根拠のない無意味な判決だ」と反発し、選挙出馬を阻止するための政治的迫害であると主張した。父のボルソナロ氏は2022年大統領選敗北後の権力維持計画で有罪となり、懲役27年を実刑中で、エドゥアルド氏の弟であるフラヴィオ氏も次期大統領選で現ルラ大統領の対抗馬として立候補予定だ。
この判決は、ブラジルの民主主義制度に対する国内の分裂と対立をさらに深める結果となった。トランプ政権は当初、ボルソナロ氏の裁判を「魔女狩り」と見なし、ブラジルへの50%関税とデ・モレス裁判官への制裁を発動していたが、ルラ大統領との会談を経て関税と制裁は解除された。司法当局は、エドゥアルド氏の行為が司法の独立を脅かすものと位置づけ、判決の執行と関連する政治的影響を注視している。