2026年7月26日未明、中国南部・広東省恵東県沿岸に今年最も強い台風ノウルが上陸し、時速162キロの強風と豪雨をもたらした。中国気象局と水利部によると、広東省を中心に80万人超の避難が行われ、香港国際空港では350便以上が欠航するなど大規模な交通麻痺が生じている。当局は緊急災害救助対応を発動し、地域全体で警戒を強めている。
台風は上陸後も内陸部へ向けて北上し、江西省、湖南省、湖北省などに大雨をもたらす見込みだ。中国気象局は複数の省で土砂災害や洪水の最高警戒レベル「赤」を発令し、山間部や河川、建設現場の監視を強化している。香港では9人から21人の負傷者と100件以上の倒木報告が確認され、空港は12時間以上操業を停止した後、徐々に再開している。広東省では竜巻や突風により道路が倒木や瓦礫で埋まり、インフラ損傷が相次いでいる。
中国政府は国家災害救助緊急対応を四级から三级へ引き上げ、中央チームを現地に派遣して被害調査と復旧支援を指揮。国家発展改革委員会は復旧資金として1億元(約1480万ドル)を拠出する。気象専門家によると、今年12回目となる同台風は、人間活動に起因する気候変動により極端気象の頻度と強度が増している現状を反映している。また、台風通過に伴う悪天候のため、南シナ海の永暑礁付近でベトナムの貨物船「Khoi Nguyen 18」が沈没し、乗員62人のうち45人が救助、17人が行方不明となっている。中国とベトナムの救助隊による捜索が続く中、南シナ海では日米菲の共同軍事演習が完了し、中国側が地域の平和と安定を損なうと非難するなどの緊張も高まっている。
台風ノウルは勢力を弱めつつあるものの、火曜日にかけて中国南部から中部にかけての広範囲で大雨と高潮のリスクが続く。各地の自治体は住民に避難勧告を呼びかけ、洪水リスクの高い地域への立ち入りを制限している。復旧作業には数日を要する見込みで、交通網の再開とインフラ修復が急務となっている。