2026年4月現在、各国の金融当局と政府が経済の安定と構造改革に向けた一連の措置を打ち出している。日本では日銀の利上げ観測が強まる中、金融庁が銀行の資本規制緩和を検討。韓国では少子化対策として結婚支援策が推進され、主要行がグリーンファイナンスと海外拠点の拡大を加速している。南アジアではバングラデシュのイスラミ銀行が流動性支援を要請する一方、政府は税務管理の強化と農業資金支援に乗り出している。インドでは金融省が金担保融資の詳細調査を実施し、追加対策の可能性を示唆。東南アジアと南アフリカでも外貨準備高の推移と農業支援機関の資金調達動向が報告されている。
日本では、元日本銀行総裁のハイドオ・ハヤカワ氏のインタビューにより、日銀がインフレ対策として6月および10月にも基準金利の引き上げを実施する可能性が示された。市場では中東情勢に起因するインフレ圧力への対応遅れが懸念されており、日銀の追加利上げを示唆する信号が注目されている。同時に金融庁は、政府系金融機関との共同投資などリスクの低い案件について銀行の資本充足率要件を条件付きで緩和する方針を表明。スタートアップや地方企業の支援を促進する。
韓国ではキム・ミンソク首相が議長を務める閣僚会議で、若者の結婚を促すため既婚者向け給付金の所得制限緩和策が発表された。公共賃貸住宅へのアクセス拡大や住宅ローン金利の引き下げなどが含まれる。金融機関側では、ウーリ銀行のチョン・ジンワンCEOが主導し、環境影響を実証するタクソノミー基準に基づくグリーン融資や債券発行を推進。また、ロンドン取引所でのデリバティブ販売認可を取得し、ウォン建て資産への海外投資の窓口拡大を図っている。
南アジアでは、バングラデシュ中央銀行(BB)がイスラミ銀行に対し、顧客の預金引き下げと準備率不足によりTk1兆千億クローの流動性支援を要請されたことを明らかにした。これとは別にBBは、食料安全保障と農村経済の活性化を目的としたTk1兆千億クローの農業ローン基金を新設。低利子で農民に融資し、無担保での融資枠を設ける。政府はまた、金融取引の透明性向上のため、銀行口座開設に納税者識別番号(TIN)の必須化を予算案に盛り込む方向で調整している。インドでは、金融省が銀行に対し2023年以降の金担保融資(GML)に関する詳細データの提出を指示。金輸入の増加を背景に、追加的な輸入抑制策や制度見直しが検討されている。
東南アジアでは、マレーシア中央銀行(BNM)が2026年5月29日時点で国際準備高を1,306億米ドルと発表。輸入4.6カ月の支払い能力を確保し、短期外部債務の0.9倍を維持している。南アフリカでは、ランド・バンクのジャブ・ムパンボ暫定CEOが、2028年の債務満期を前にバランスシート強化と新興農民への支援強化を目的に、開発金融機関や政府から合計約300億ランドの資金調達を検討していると議会委員会で表明した。商業金利が負担できない新興農民向けに、助成金を組み合わせた融資商品の拡充と、財務省のゴドンワナ大臣とも調整中の政府保証の取得に向けた協議が進められている。
これらの各国の金融・財政措置は、インフレ抑制、農業支援、税務管理の強化、そして構造改革を柱としており、地域経済の安定と長期的な成長基盤の構築に直結する。中央銀行の金融政策正常化と民間セクターの資金調達環境の整備が並行して進められる中、流動性管理と実体経済への資金配分が今後の市場動向を左右する主要因となる見通しだ。