米イラン間の軍事対立が激化する中、トランプ米大統領はイランが交渉に応じない場合、電力施設や橋梁といった民間インフラを攻撃すると警告した。これに対し国連人権高等弁務官は国際人道法違反、すなわち戦争犯罪に当たると反発している。同時に、米軍はイラン港湾への封鎖を再実施し、海峡を巡る緊張が最高潮にある。
ホルムズ海峡では、米軍が支援する航行スキームを巡って船社が安全を懸念し、利用を回避する動きが広がっている。7月7日以降、オマーン沖で5隻が攻撃されたことを受け、米海軍はリスク評価を「深刻」に引き上げた。トランプ氏は当初20%の通行料案を提示したが、市場の反発を受け撤回した。軍事面では、米軍が無人水上艦を初実戦投入してイラン海軍施設を攻撃したほか、クウェートやバーレーンではイラン側の無人機・ミサイル攻撃が交戦されている。イラン側も南部攻撃で30人以上の民間人死亡を確認しており、国連人道問題調整局(OCHA)は医療従事者や救援施設への攻撃を非難している。また、制裁回避を模したイラン原油搭載タンカーがパキスタン沖に待機する動きも見られる。
海峡の通行リスク上昇は、世界の主要エネルギー路である同水路の封鎖懸念を強め、国際市場に不確実性をもたらしている。船主の安全確保と国際法遵守の重要性が改めて問われる中、米政府の強硬姿勢とイランの反発が外交決着を遠のかせている。今後の交渉動向と船舶航行の正常化が、グローバルサプライチェーンおよびエネルギー価格の安定に直結する重要な焦点となっている。