国際社会が複数の大規模危機に直面している。アフリカのコンゴ民主共和国(DRC)ではエボラ出血熱の感染が急速に拡大し、死者数が600人に達した。一方、アジアでは中国南部の広西チワン族自治区で記録的な豪雨と洪水が発生し、39人の死亡が確認されている。両危機は公衆衛生システムと気候変動への適応能力という共通の課題を浮き彫りにしている。
世界保健機関(WHO)の最新データによると、DRCでのエボラ感染確認例は1,759例、死者数は600例に上る。アフリカ疾病予防管理センター(Africa CDC)のウェッサム・マンクウラ議長は、今回のアウトブレイクを「過去最速のペースで拡大している」と指摘し、症例数が28日ごとに倍増していると警告した。感染の中心は鉱物資源が豊富なイトゥリ州にあるが、隣国ウガンダでも2人の死者が出ている。原因ウイルスはワクチンや承認済み治療法が存在しない希少な「ブンディブギョ型」であり、7月2日には治療薬候補2種(モノクローナル抗体MBP134および抗ウイルス薬レムデシビル)の臨床試験が開始された。
気象災害の面では、中国南部広西地域で豪雨による洪水が甚大な被害を及ぼしている。国家通信社新華社の報道によれば、死者39人、行方不明者9人が確認されている。死者の26人はリウラン貯水池の決壊によるもので、住民からは早期警報の欠如に対する批判の声が上がっている。消防・治安部隊や民兵による捜索救助活動が継続中だが、住民からは「歴史の中でこれほど深刻な状況は初めてだ」との声も聞かれる。同時に、巨大台風「バビ」が台湾付近を通過し、浙江省や福建省沿岸に上陸する見込みで、さらなる降雨と洪水リスクが高まっている。
両危機は、資金不足や治安悪化、インフラの脆弱性が対応を遅らせている点で共通する課題を呈している。WHOのアン・アンシア代表は、DRCでの医療体制の逼迫と民間人の保護ニーズを強調し、14億ドルの資金調達を呼びかけている。中国では台風接近により救援活動がさらに複雑化しており、国際機関は気候災害と感染症拡大という二重の危機に対して、迅速な資金供与と協調した緊急対応体制の構築が急務であると警告している。