北米3か国共催による史上最大規模の2026 FIFAワールドカップが、メキシコシティのアステカ競技場で開幕した。開会式ではシャキラらが出演し祝賀ムードが漂った一方、出場チームや観客の渡米を巡るビザ問題や高額なチケット価格を巡る批判が、大会の行方を左右する重要な課題として浮上している。
開会式はアステカ競技場で開催され、コロンビアのシャキラとナイジェリアのバーナ・ボーイが公式テーマソングを披露。約8万人の観客が会場を埋め、メキシコと南アフリカの開幕戦を祝った。メキシコは1970年、1986年に続く3度目の開幕戦開催都市となり、歴史的な舞台で試合に臨む。48か国・104試合を誇る今回の大会は、単なるスポーツイベントを超えて地政学的緊張や行政的課題が交錯する場となっている。
一方で、大会の準備過程では政治的・移民政策を巡る議論が表面化した。ソマリア出身の審判員オマル・アルタン氏の入国拒否や、イラン代表関係者のビザ発行遅延、そしてイランとの軍事衝突を背景とした渡米制限が批判を呼んだ。FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長はこれらの問題に対し「我々はすべてを制御できるわけではない」と説明し、ドナルド・トランプ米大統領との緊密な関係を強調した。また、チケット価格の高騰やファンゾーンの混乱、メキシコ国内の教員組合による抗議活動も報道されている。
開幕戦を皮切りに、各国の戦力や戦略が問われる中、大会がスポーツの平和的価値を再確認する機会となるか、それとも諸課題が大会の性格を規定するかが注目される。48か国が参加する拡大フォーマットは、従来のワールドカップの枠組みを再定義するものとなるだろう。