フランス保健省は24日、コンゴ民主共和国(DRC)からの人道ミッション帰還医師においてエボラ出血熱の陽性を確認したと発表した。同国で今回の発生における初の症例であり、アフリカ大陸外での確認は初めてである。患者はパリ到着直後に隔離され、状態は安定している。
患者はキンシャサからシャルitéへ向かうエアフランス機で帰国し、搭乗時は頭痛のみでほぼ無症状だったものの、機中で状態がやや悪化した。保健省はウイルス負荷が極めて低く、公衆衛生へのリスクは「極めて低い」と強調。接触者追跡が行われ、関連乗客5名も予防的隔離に入った。セバスティアン・ルコルヌ首相は状況を注視しており、保健省は帰国する人道主義者向けの監視システムを構築し、厳格なバイオセーフティプロトコルに従った治療を継続する方針だ。
DRCでは5月15日に17回目のアウトブレイクが宣言され、イトゥリ州モンバワルを起点に1000例超、267人死亡(致死率約25%)に達している。北ウガンダでも20例・2死者が確認された。今回の原因はバンドゥブギョ型ウイルスで、既存ワクチンが効かないザイール型とは異なり、承認済みのワクチン・治療法が存在しない。WHO事務局長テドロス・アダノム・ゲブレイェスス氏は世界的リスクは低く、過剰反応を警戒する一方、約80人の医療従事者が感染した実態を指摘し、防護体制の強化を呼びかけた。アフリカ疾病管理センター(Africa CDC)のジャン・カセヤ事務局長も、流行は「深刻だが制御不能ではない」と評価し、ピークは到来していないと警告する。
現場では武装勢力や住民の不信感、金鉱山での密接な労働環境が感染拡大を加速させている。接触者追跡の成功率は40〜58%にとどまり、90〜95%の目標達成が課題となっている。治療薬開発の観点から、米国は実験的抗体薬MBP134をDRCに提供し、臨床試験を支援する方針を示した。また、先月DRCで感染した米国人医師ピーター・スタッフォード氏はドイツのシャルité病院で治療を受け、6月初旬に回復退院している。
欧州疾病予防管理センター(ECDC)もEU域内の感染リスクは極めて低いと評価している。国際社会は、承認済みの治療法がないバンドゥブギョ型の蔓延阻止と、現場の医療体制強化に向けた協調対応を急ぐ必要がある。