北米3カ国共催で2026年6月に開幕するFIFAワールドカップを目前に、サッカー界は政治的緊張と組織上の課題に直面している。特にイラン代表チームの米国入国を巡るビザ問題と治安懸念が注目され、各国は本番前の最終調整を急いでいる。
イラン代表は現在、米国と軍事対立状態にあるため、本拠地をメキシコのティフアナに置いている。米国当局は一部のスタッフへのビザ発行を拒否し、試合当日のみの出入国を義務付けるなどの制限を科している。米国政府は不正な入国の防止を理由に厳格な査証審査を維持しており、外交関係の悪化がスポーツ行事に直接影響を与えている。
各国は本番前の最終調整として親善試合を戦った。ドイツは米国に2-1で勝利し、アルゼンチンはホンジュラスを2-0で下した。フランスはコートジボワールに1-2で敗れ、オーストラリアはスイスと1-1で引き分けた。ポルトガルとベルギーもそれぞれ勝利し、各国とも最終ラインナップの固めに動いている。
開催地ではチケット価格の変動やホテルの空室率低下、スタジアム労働者のストライキ準備などの課題も浮上している。特にメキシコと米国では、移民取り締まり機関の活動がファンやスタッフの懸念を招いており、安全な大会運営が最大の焦点となっている。
政治的対立と経済的課題が交錯する中、104試合を戦う史上最大のワールドカップは単なるスポーツイベントを超えた地政学的な試金石となる。各国の戦力整備と開催地の準備が、大会の成功与否を左右する重要な局面を迎えている。