1989年の天安門事件から37年を迎えた4日、米国のマーコ・ルビオ国務長官が「検閲では過去を消すことはできない」と声明を発表し、中国側が激しく反発した。中国外務省はルビオ氏の発言を「歴史的事実を歪め、中国の政治体制と発展の道を中傷し、内政に干渉するものだ」と非難した。一方、台湾の賴清徳総統は自身のSNSで中国に対し歴史の直視と真実の認識、そして和解と対話への道を開くよう呼びかけた。天安門事件は現代中国の歴史において最も敏感なトピックの一つであり、当局による情報統制は依然として厳格である。
香港では、かつて大規模な追悼集会が開かれていた銅鑼湾の維多利亞公園周辺に警察が厳重に警戒を敷いた。夜間、黒い服を着て花を持ち歩いた活動家ら7人が公共秩序妨害の疑いで連行され、その中には元社会民主党の陳宝瑛氏や活動家の馮敬文氏らも含まれた。集会は2020年の国家安全法施行以来禁止されており、公園内では親北京勢力による食品フェスティバルが4年連続で開催された。台湾では台北の自由広場で約500人が雨の中、ろうそくを持って追悼の意を示した。賴清徳総統は「真に偉大な国は軍事的優位だけを信じるべきではなく、国民の声に耳を傾け、過去の悲劇に勇敢に向き合うべきだ」と述べ、中国の若者の声に耳を傾けるよう求めた。また、北京当局は犠牲者遺族が毎年訪問してきた万安墓地への立ち入りを今年も禁止した。国際人権団体アムネスティ・インターナショナルはこれを「冷酷な行為」と批判し、記憶の抹殺を強める中国当局の姿勢がエスカレートしていると指摘した。
ルビオ国務長官の声明と中国外務省の毛寧報道官による一蹴は、両国の間にある歴史的・イデオロギー的な対立を如実に浮き彫りにした。中国政府は1980年代後半の政治的動乱について長らく明確な結論を出しており、米国の追悼表明を民主主義や人権を名目とした内政干渉と位置づけている。検閲と記憶の闘争は国境を越えて続いており、言論の自由と歴史の真実をどう扱うかが国際社会における重要な課題として残されている。香港や台湾での追悼活動、そして海外での外交的摩擦は、歴史の重みが現在も政治・社会の根幹に深く刻まれていることを示している。