米軍とイランは2日、中東地域で新たなミサイルおよびドローン攻撃を交換し、両軍の対立が激化している。米中央軍によると、イランがクウェートおよびバーレーンへ発射した弾道ミサイルは全て着弾に失敗し、米軍やバーレーン側が迎撃に成功した。これに対し、米軍はイラン領クシュム島にある軍事施設を「自衛」の名目で攻撃した。96日目を迎えた今回の軍事衝突は、ドナルド・トランプ大統領による和平交渉の進展が期待される中での発生であり、外交ルートは依然として膠着状態にある。
マーコ・ルビオ国務長官は上院外交関係委員会の証言で、イランのモフタバ・ハメネイ最高指導者が生存しており交渉に徐々に参与している可能性を示唆した。ルビオ氏は、制裁解除にはイランが核活動を制限しホルムズ海峡の航行を再開する必要があると強調し、交渉の展望は「今日でも、明日でも、来週でも」あり得ると語った。トランプ大統領も会談は継続中だと反論したが、両者の信頼関係の欠如と硬直した立場が交渉を複雑化させている。軍事面では、米軍が警告を無視してイラン方面へ航行したボツワナ船籍のタンカー「M/T Lexie」に対し、ヘリファイアミサイルを直撃させて航行不能に追い込んだ。これに対しイラン革命防衛隊は、米軍攻撃への報復としてバーレーンの米第5艦隊司令部などを標的としたと主張したが、米側はこれを否定している。
経済面では、イランの通貨リアル(Rial)は2015年当時の水準から大きく価値を落としており、現在では1ドルに対し170万リアルを超える水準で取引されている。中央銀行のデータによると、5月の消費者物価指数は前年比77.2%に達し、第二次世界大戦以来の高インフレとなっている。ホルムズ海峡封鎖は世界のエネルギー供給網に直接的な打撃を与えており、Brent原油価格は一時100ドル台を回復したものの、外交の行方次第で変動が続いている。両国の対立が長期化すれば、中東全体の安定はさらに脅かされ、国際市場への影響も不可避となる状況である。