米国のドナルド・トランプ大統領は29日、ホワイトハウス作戦室でイランとの和平合意に関する「最終判断」を行うため会合を開くと表明した。両国交渉チームは停戦を60日間延長し、イランの核プログラムに関する協議を再開する覚書の枠組みで合意したとされる。トランプ氏は、イランの核兵器開発放棄、ホルムズ海峡の双方向無制限通航、機雷の完全撤去、および濃縮ウランの破棄を条件として提示し、「当面は資金の交換はない」と述べている。
イラン側は外務省や首席交渉人のモハメド・バゲル・ガリバフ氏を通じて、まだ最終合意に至っていないと強調。ガリバフ氏は「保証や言葉ではなく行動で判断する。他方が行動するまで、こちらが動くことはない」とし、現在の交渉は核問題ではなく戦争終結に焦点を当てていると説明した。パキスタンとカタールが仲介役として関わり、JDヴァンス米副大統領は交渉が「非常に近づいている」と評価するも、双方は停戦違反を主張し、海峡封鎖やクウェートへの攻撃などで緊張が高まっている。また、分析家のアレックス・シェアーズ氏は、政治的声明と実行可能な合意の間に大きな隔たりがあると指摘する。
和平交渉の進展期待は市場に波及し、ニューヨーク株式市場は主要指数が上昇、ブレント原油価格も下落した。しかし、交渉の行方は依然として不透明であり、米イラン間の信頼回復と海峡の安全な通航再開が、地域和平と経済安定の鍵を握る状況が続く。イスラエルがヒズボラを標的とするレバノン侵攻を継続する中、今後の合意成立が国際社会の視線を強く集めることになる。