米国軍がイラン南部バンダル・アッバスにある軍事施設を攻撃し、4機の無人機を撃墜した。トランプ米大統領はホルムズ海峡の通航管理をめぐる交渉進展を否定し、オマーンへの威嚇ともとれる発言を行った。これにより中東情勢の先行き不透明感が強まり、国際的なエネルギー市場や株式市場に波紋を広げている。
米政府関係者によると、米軍はイランの片道攻撃型無人機が海峡付近で脅威を及ぼしたとして、地上管制施設を標的にした。米中央軍は「計画的で純粋に防御的な行動であり、休戦の維持を意図している」と説明する。一方、イラン革命衛隊は米軍の攻撃に報復して米軍基地を標的にしたと主張し、緊張が高まっている。トランプ大統領はホワイトハウスで閣議を開き、イランとオマーンが海峡の通航を共同管理するとの報道を「完全な捏造」と一蹴。海峡は国際水域であり、どの国も支配しないと強調し、オマーンが従わない場合は軍事攻撃を加えると警告した。国務長官マルコ・ルビオ氏も閣議でイランの核武装を断固阻止する方針を示した。
情勢の緊迫化に伴い、クウェートでは防空システムがミサイルやドローンを迎撃したと発表された。また、イスラエル軍はレバノン南部の住民退去を命じ、ヒズボラとの衝突が継続している。経済面では、米軍の打撃報道を受け、ウエストテキサス中質原油(WTI)やブレント原油価格が反騰し、それぞれ90ドル台後半から96ドル台で推移している。オーストラリア証券取引所(ASX)は8,600ポイントを下回り、金融セクターが下落した。CBAの経済アナリストは、エネルギー価格の高騰や地政学的リスクから国内GDP成長が当初の見通しより鈍化する可能性を示唆している。
2月28日に始まった米・イスラエルによるイラン攻撃から3か月余りが経過し、休戦交渉は依然として難航している。核能力解体や制裁解除、海峡の通航権をめぐり双方の主張が対立しており、合意に至らない場合、米軍の追加攻撃や戦闘再開のリスクが依然として高い。市場は休戦合意の成否に敏感に反応しており、エネルギー供給の安定とインフレ抑制が各国の課題として浮上している。