北米3か国で開催される2026年FIFAワールドカップの開幕を目前に控え、各国代表の最終メンバー発表が相次いでいる。しかし、チケット販売を巡る高値や座席位置をめぐる消費者保護法違反の疑いから、ニューヨーク州とニュージャージー州の司法長官がFIFAに対し正式な調査と証書提出を命じる措置を発動した。大会直前の準備が本格化する中、運営側と消費者の信頼関係が問われる展開となっている。
ニューヨーク州のレティシア・ジェームズ司法長官とニュージャージー州のジェニファー・ダベンポート司法長官は合同会見で、FIFAのチケット価格が過去の大会を大幅に超えており、「偽りの希少性」と「あり得ないほどの高値」で消費者を騙していると非難した。特にニュージャージー州のエースト・ルーズバートにあるメットライフ・スタジアムで開催される8試合(7月19日の決勝戦を含む)の販売手法に焦点を当てており、動的価格設定による価格改定や座席カテゴリの誤認について徹底調査する方針だ。FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長は需要の高さを理由に価格を擁護しているが、州政府側は透明性の欠如を強く問題視している。
代表チームの編成は各国で最終段階を迎えている。アメリカ代表はマウロ・ポチェティノ監督がクリスチャン・プッリーシッチ、タイラー・アダムス、ウェストン・マクニニーらを軸に26名を召集し、2022年大会出場経験者と初出場者が半々となった。モロッコ代表のモハメド・ワフビ監督はパリ・サンジェルマン所属のディフェンダー、アシュラフ・ハキミやレアル・マドリード所属のフォワード、ブラヒム・ディアスを起用し、北米でのキャンプを調整中である。アルゼンチン代表のリオネル・スカローニ監督は、インテル・マイアミで負傷したレオ・メッシのコンディションについて「深刻ではない」と楽観視し、6月の開幕戦に臨む構えだ。
オランダ代表のロナルド・クーマン監督は、国内最多得点記録を持つメンフィス・デパイとアーセナル所属のディフェンダー、ジュリアン・タイマーを招集したが、両者とも直近の試合出場が限られており、ワールドカップ開幕前の調整が鍵となる。南アフリカ代表のフーゴ・ブロス監督も、無所属だったオウェトゥ・マクハニャら若手とベテランのテムバ・ズワネを起用し、74歳の監督引退を賭けた最後の国際大会に臨む。MLS(米国プロサッカーリーグ)側も、ワールドカップを機にリーグの底上げと知名度向上を図る方針だが、過去の大会のような明確な遺産創出には課題が残ると指摘されている。
2026年大会は48か国・地域が参加する拡大版として開催され、北米サッカーの新たな地平を切り開く重要な節目となる。しかし、チケット購入を巡る消費者間の信頼回復と、開催国側が求める地元ファンへの公平なアクセス確保が、FIFAおよび各開催都市に課せられた最大の課題である。各国代表の戦いぶりとともに、大会運営の透明性が問われる展開が今後にも続く見込みだ。