ロシア軍が24日未明、ウクライナの首都キエフおよび周辺地域に対して、超音速弾道ミサイル「オレシュニク」を含む多数のミサイルと無人機を用いた大規模な同時攻撃を仕掛けた。ウクライナ当局によると、攻撃で少なくとも4人が死亡し、約100人が負傷した。ゼレンスキー大統領は国連安全保障理事会の緊急会議を呼びかけ、同盟国に対し即座の防空支援とミサイル供給の継続を求めている。
ウクライナ空軍によると、攻撃には600機の無人機と90発の空・海・陸発射ミサイルが投入された。ロシア国防省はオレシュニクに加え、イスキャンデル、キンスハル、ジルコンなどのミサイルを使用し、軍事指揮施設や空軍基地、軍事産業関連企業を標的としたと主張する。キエフ市内では政府機関庁舎や外務省、国立美術館、歴史的文化施設、住宅街、学校、商業施設などが被害を受け、30以上の建物が損壊または破壊された。また、水道施設も標的とされ、市民生活への打撃が深刻化している。
今回ロシアが軍事行動を加速させた背景には、ロシア占領下のスターボリスクでウクライナ軍が無人機を用いた攻撃を行い、大学寮で21人が死亡したとされる事件への報復がある。モスクワ側はウクライナの民間施設攻撃への「応報」と位置づけているが、ウクライナ側は軍事目標への攻撃であると反論。ゼレンスキー大統領はTelegramで具体的な防空支援の停止は一日たりともあってはならないと訴え、EUの上級代表や各国首脳も今回の攻撃を無謀なエスカレーションや絶望の表れと強く非難した。
今回でオレシュニクのウクライナへの使用は3回目となり、マッハ10の速度と迎撃不能とされるこの兵器の配備は、ウクライナの防空体制にさらなる圧力をかけつつある。米欧の対ウクライナ支援が中東情勢や他の地域紛争に注力する中で、和平交渉の停滞が深刻化する懸念もある。この大規模攻撃は、民間人への被害が拡大し、国際的な安全保障秩序にさらなる亀裂をもたらす結果となった。