米国のドナルド・トランプ大統領は24日、イランとの和平合意が「ほぼ交渉完了」したとソーシャルメディアで表明した。合意案には紛争終結宣言、ホルムズ海峡の再開、イラン港湾封鎖の解除が含まれ、最終的な詳細は間もなく発表される見通しだ。パキスタンやカタール、アラブ首長国連邦などの仲介役や中東各国首脳と協議した結果、60日間の休戦枠組みに向けた道筋がついた。
トランプ氏は合意が「最終化を条件に」米イランおよび各国間で成立するとしている。一方、イランのマスード・ペゼシュキアン大統領は、最高指導者モジタバ・ハメネイの許可なしに決定は行わないと強調した。イラン外務省は核問題について当面の交渉対象外とし、30〜60日間の交渉期間を設ける枠組み案を提示した。ニューヨーク・タイムズ紙の報道によれば、イランは高濃度ウラン保有庫の放棄に原則同意したとされるが、具体的な移転先やプロセスは今後の核交渉で合意される見込みだ。ルビオ国務長官はイランの核保有を断固拒否し、海峡は通行料なしで開放すべきだと主張した。
パキスタン陸軍参謀総長アシム・ムニール大元帥がテヘランを訪問し、イラン側交渉責任者らと協議した。ムニール氏の訪問後、双方の溝は縮小したと伝えられる。一方、ベンヤミン・ネタニヤフ首相はイスラエル・ヒズボラ間のレバノン停戦条項と核交渉の延期に懸念を示し、国家安全保障閣僚会議を開く予定だ。インドのスブラマニヤム・ジャイシャンカル外相はニューデリーで記者団に対し、エネルギー市場は市場原理に委ねるべきとし、イラン危機下での供給源多様化を継続すると表明した。
海峡の動向は実体経済にも影響を及ぼしている。中国の貿易業者ハン・ユン氏は、新疆ウイグル自治区から西安、義烏を結ぶ輸送網で鉄道便の確保に追われている。5月の鉄道便枠は既に埋まり、6月の空き状況を確認中だ。2023年からイランに小型家電を輸出していた同氏は、1月以降の収入が実質的に途絶えた状況で、陸路トラック便への切り替えも検討している。
合意成立の行方は依然として不透明だ。トランプ氏は合意がまとまらない場合、軍事攻撃を再開する可能性を示唆しており、共和党強硬派からはオバマ前政権の合意に類似した内容として批判も上がっている。イラン側も海峡管理権を堅持する姿勢を崩さず、交渉は「現実と一致しない」と反発している。60日間の休戦期間中、核協議や経済制裁緩和の成否が中東情勢の安定と全球エネルギー市場の回復を左右する焦点となる。