The Morning Star Observer

2026年05月23日 土曜日朝刊 (Morning Edition)ArchiveAbout

WHO、コンゴ民主共和国のエボラ出血熱リスクを「非常に高」に引き上げ

世界保健機関(WHO)は22日、コンゴ民主共和国(DRC)で拡大しているエボラ出血熱のリスク評価を、国内レベルで「高」から「非常に高」へと引き上げたと発表した。テドロス・アダノム・ゲブレイエススWHO事務局長は記者会見で、ウイルスが「急速に拡大」していると警告し、地域レベルでは「高」、世界的なレベルでは「低」のままとした。

同局長によると、DRCではこれまでに82人の感染確認と7人の死亡が報告されているが、実際の感染規模はこれらを大きく上回るとみられる。疑わしい症例は約750人、疑わしい死者は177人に達している。今回問題となっているのはブディブギョ株であり、承認済みのワクチンや治療薬が存在しないため、封じ込めが困難な状況だ。WHOは既に日曜日、これを国際的な関心事となる緊急事態として宣言している。

感染拡大の主要な障壁は、イトゥリ県や北キブ県における治安の悪化と暴力である。治療施設への放火や医療物資の破壊が相次ぎ、コミュニティの信頼構築が課題となっている。隣国ウガンダではDRCからの渡航者2人の感染が確認され、1人死亡しているが、状況は「安定」しているとWHOは評価する。国連は中央緊急応答基金から6000万ドルを拠出すると発表し、米国もコンゴとウガンダの対応強化のため2300万ドルを提供するほか、治療施設50件の建設を支援する。WHOは国際スタッフ22名を派遣し、緊急対応基金から390万ドルを拠出した。

テドロス局長は、ウイルスの急速な拡散可能性が「非常に高い」状態にあると指摘し、国際社会の十分な注力を呼び掛けた。専門家も、単一症例が国境を越えた伝播を引き起こすリスクを軽視するべきではないと警告している。感染拡大防止と誤情報の払拭に努める国際機関と現地当局の連携が、今後の収束に向けた鍵となる見通しだ。

米国家情報長官ガバード氏、夫のがん闘病支援のため辞任 6月30日付で退任

ドナルド・トランプ米大統領の政権で国家情報長官(DNI)を務めていたタルシ・ガバード氏が、夫のレアな骨がん診断を受けたことを受け辞任する意向を明らかにした。辞任は6月30日付で有効となり、後任の暫定長官にはアロン・ルカス副長官が職務を代行することになる。

ガバード氏は辞任状の中でトランプ大統領への感謝と、過去1年半にわたり国家情報機関を率いる機会を与えられたことへの謝意を表明した。夫のアーブラム氏が稀な骨がんの診断を受けたことを受け、「彼がこの厳しい戦いを一人で乗り越えるよう強いることは良心に背く」とし、公職を退いて家族の支援に専念する決断だと説明した。

トランプ大統領は自身のSNS「トゥース・ソーシャル」で辞任を承認し、「ガバード氏は素晴らしい成果を上げ、我々は彼女を惜しむだろう」と評価した。その上で、後任の暫定長官としてアロン・ルカス第一副長官が職務を代行すると発表した。

ガバード氏はハワイ州選出の元下院議員であり、民主党籍からトランプ氏支持に転じ、2025年2月にDNIに就任した。対外軍事介入に反対する立場を長年表明してきたが、政権下ではイランやベネズエラに対する軍事行動が相次ぎ、彼女の過去の証言や見解と対立する事態も生じた。特にイランの核開発問題では、議会での証言でイランが核兵器を保有していないと指摘していたのに対し、トランプ氏は数週間から数ヶ月以内に核武装すると主張し、ガバード氏の評価を「誤り」と一蹴する事態となった。

報道によると、ホワイトハウス内部ではガバード氏の辞任を促す動きがあったとされ、公式な理由とは別に政権内の立場が脆弱化していた可能性も示唆されている。18の諜報機関を統括する要職の空席により、米国の対外情報収集および安全保障政策の運営に直接的な影響が生じる見込みである。

ペップ・グアルディオラ、マンチェスター・シティ退任を発表 10年間の黄金時代幕

マンチェスター・シティはペップ・グアルディオラ監督の今季終了に伴う退任を正式に発表した。55歳の指揮官は契約残1年を残しての退任となり、今後はシティ・フットボール・グループのグローバル・アンバサダーとしてクラブに残留する。10年間の監督在任中で17の主要タイトルを獲得し、プレミアリーグ6連覇や2022-23シーズンのトレブル達成を指揮したグアルディオラは、イングランドサッカー史上屈指の黄金時代を築いた。

最後の公式戦はエティハド・スタジアムで行われるアストン・ヴィラ戦となる。クラブは彼の貢献を称え、新設されるノーススタンドを彼の名前にちなんで命名し、スタンド前には銅像が建立される。退任理由についてグアルディオラは「理由を問わない。深く内側で、これが僕の時間だとわかっている。永遠などない。もし永遠なら、ここにいるだろう。感情も、人々も、記憶も、マンチェスター・シティへの愛も永遠である」と表明した。今季はFAカップとリーグカップの国内カップ戦二冠を達成したが、プレミアリーグではアーセナルにタイトルを明け渡した。2016年より指揮を執り、100ポイント・106得点の記録や4連覇を含む6度のリーグ優勝、そしてUEFAチャンピオンズリーグ初優勝を導いた。

後任候補には、かつてシティでアシスタントコーチを務め、現在はチェルシー監督のエンソ・マレスカ氏が最有力視されている。グアルディオラは現役時代から指導者時代を通じて、ミケル・アルテタやハビ・アロンソ、ビンセント・コンパニら旧部下をトップクラブの監督に送り出し、イングランドサッカーの戦術体系全体に多大な影響を及ぼした。今後は監督席を離れるものの、グローバル・アンバサダーとしてクラブの理念継承に携わる。プレミアリーグの財務規程違反に関する115の容疑をめぐる調査結果が未確定な状況ではあるものの、彼が刻んだクラブのDNAと戦術的遺産は、イングランドサッカーの未来を形作る基盤として残り続ける。

ケヴィン・ウォッシュ氏、FRB議長に就任 高インフレと政治的圧力の狭間で新政策の舵取りへ

ケヴィン・ウォッシュ氏が金曜日、米連邦準備制度理事会(FRB)の議長に就任した。ドナルド・トランプ米大統領の指名を受け、ジェローム・パウエル前議長の後任として中央銀行の運営を任されることとなった。就任式ではクラレンス・トーマス最高裁判事が宣誓に立ち会い、トランプ大統領はウォッシュ氏の独立性を求めつつ、経済成長とインフレ抑制の両立を促した。ウォッシュ氏は改革志向のFRBをリードし、過去の成功と失敗から学ぶ姿勢を表明している。

ウォッシュ氏が迎える経済環境は厳しい。労働統計局の4月消費者物価指数(CPI)によると、前月比0.6%上昇し、年率は3.8%となった。これは過去3年間で最大の伸びであり、特にエネルギー価格が1年間で17.9%高騰している。ガソリン価格は1ガロン約4.55〜4.56ドルに達し、今年2月の水準から大幅に上昇している。この物価高は中東情勢、特に米イスラエルとイランの衝突による影響が指摘されている。ウォッシュ氏は就任後、インフレを低く抑えつつ成長を強化し、実質賃金を引き上げる方針を示したが、市場の分析では年内の利下げは困難とみられている。JPモルガン・チェースの予測では、金利は2027年半ばまで据え置きとなり、その後は上昇する可能性もあるとされる。連邦公開市場委員会の直近会合でも、金利据え置きの確率が97%と極めて高い状態が続いている。

FRB議長としての独立性はすでに政治的な試練に晒されている。ウォッシュ氏の指名は上院で党派色の強い審議を経て承認され、民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員はトランプ氏の「手先」だと批判した。ウォッシュ氏はこれを否定し、独立した判断を行うと主張している。トランプ大統領は就任式で完全に独立して仕事をしてほしいと述べつつ、過去のFRBの運営を批判し、利下げを望む姿勢を隠さなかった。世論調査では経済への不満が拡大しており、モリス・プレディクティブ・インサイトスの調査では68%の国民がトランプ政権が経済よりも移民対策を優先していると認識している。また、53%が移民取り締まりから食料費や医療費削減へ支出を転換すべきだと答えるなど、物価高と生活コストの増加が政治的な圧力となっている。

ウォッシュ新議長が率いるFRBの次の政策決定会合は6月16日から17日に予定されている。高インフレと政治的圧力の狭間で、金利政策の行方が国内外の市場を動向させることになる。ウォッシュ氏が掲げる改革志向の運営が、労働者や企業、消費者に与える影響は計り知れない。AI技術の急進展が経済構造を再構築する中、FRBの判断は米国の経済成長の質と持続可能性を左右する重要な分岐点に立たされている。

政治 (Politics)

米国、一時滞在ビザ保有者へのグリーンカード申請で母国帰国を義務付け トランプ政権が移民規制を強化

トランプ米政権は、米国に一時滞在ビザで滞在する外国人に対し、グリーンカード(永住権)を申請する場合は母国へ帰国するよう義務付ける新たな指針を発表した。国土安全保障省と移民局(USCIS)は、この措置が既存の法的な移民制度を強化し、システム上の抜け穴を封じる目的であると説明している。

米移民局は発表した指針で、米国境内での在留資格変更を裁量権に基づく特権とし、自動的に認められる権利ではないと明確化した。ビザの期限超過や不法就労、不正申請などの違反歴、入国条件の遵守状況などが個別に審査される。また、「二重の意図」を認める一部のビザカテゴリーを除き、原則として母国で移民ビザを取得し再入国する手続きが標準となる。ジョセフ・エドローUSCIS長官は「トランプ大統領の下、法律の本来の意図に戻り、一時滞在と永住の明確な区別を強化している」と述べた。

同政権は昨年、学生やメディア関係者などのビザ期間短縮や、就任直後の10万件超のビザ取消しなど移民ルートの厳格化を進めており、今回の指針はその一環と位置づけられる。権利擁護団体からは、申請審査待ちの間にもともと危険な環境への帰国を余儀なくされ、人身売買の被害者や虐待された子供などがさらなるリスクに晒される恐れがあると懸念が示されている。これにより、米国に在留する多数の一時滞在者にとって、永住権取得プロセスはこれまで以上に厳格化され、審査リソースの再配分が図られる見通しだ。

トランプ米大統領、ポーランドへ追加5000名派遣を表明 欧州の軍事姿勢に不透明感

ドナルド・トランプ米大統領は、ポーランドへの米軍部隊追加派遣(約5000名)を表明した。この突然の発表は、数日前にペンタゴンが約4000名の派遣計画を中止した直後であり、トランプ政権の対欧州軍事姿勢やNATO同盟へのコミットメントにさらなる不透明性を深めている。

トランプ大統領は自身のSNSプラットフォーム「Truth Social」での投稿において、この決定をポーランドのカロル・ナウォツキ大統領との関係と結びつけた。ナウォツキ氏はトランプ氏の支持を受けた候補として勝利しており、同氏は国防長官ピート・ヘグセット氏に対し、ポーランドを粗末に扱うべきではないと指示し、中止の理由を質したと報じられている。この動きは、ドイツからの5000名撤退や欧州全体の軍事プレゼンス縮小を示唆するこれまでの方針との矛盾であり、トランプ氏が同盟関係を「取引的」に捉え、自らの政治的方針に合致する国を優遇する姿勢を反映しているとの分析が出ている。

ポーランド政府は既存の米軍駐留兵約1万名に加え、この追加派遣を歓迎した。ラドク・シコルスキ外相は米軍存在が従来レベルで維持されることを保証するものだと述べ、ドイツのヨハン・ヴァーデフュル外相も欧州全体の安全保障に資すると支持を表明した。一方、トランプ政権はイランに対する米イスラエル軍事作戦を巡り、欧州諸国が財政負担や中東政策への支持を怠っているとして批判を強めており、マコー・ルビオ国務長官はスウェーデンでのNATO外相会議で同盟関係は全ての参加者に利益をもたらすものでなければならないと強調した。ポーランドは国防費をGDPの約4.5%〜4.8%に引き上げ、NATO東側防衛の最前線として急速な軍事近代化を推進している。

今回発表された派遣計画が中止された部隊の再展開か、ドイツなどからの転用かについては依然として不明な点が残る。ホワイトハウスとペンタゴンの発表不足は、欧州同盟国が米国の長期的な安全保障コミットメントをどのように捉えるべきかという根本的な懸念を助長している。トランプ政権の対外政策が「アメリカ・ファースト」の原則に基づき同盟国の忠誠心や防衛費負担を厳しく審査する方向で展開する中、欧州各国は米国の動向に翻弄されながら、独自の防衛戦略の再構築を迫られる状況が続くと見られる。

中東・中米で相次ぐ暴力衝突:レバノンで医療従事者含む死者11人、洪都拉斯で25人死亡の銃撃戦

休戦合意が結ばれたレバノンでは、イスラエルの攻撃により医療従事者を含む少なくとも11人が死亡した。同時に中米洪都拉斯では、組織犯罪集団による連続襲撃で少なくとも25人が犠牲となり、両地域で治安悪化と政府の対応が国際社会の懸念を呼んでいる。

南レバノンのティール地区を襲った攻撃では、デイル・カヌーン・エン・ナフル自治体で消防士2人と児童1人を含む6人が死亡し、ハナウイヤーでも消防士4人が犠牲となった。イスラエルはヒズボラの武装集団を標的とすると主張し、4月中旬に米国の仲介で発効した休戦合意の持続性を疑問視する声が高まっている。合意以来、イスラエルの攻撃で少なくとも400人以上が死亡している。

イスラエル軍は医療施設を武器隠匿の場所と非難するが、レバノン政府はこれを拒否。3月初頭の衝突激化以降、医療従事者116人が殺害され、病院16施設が損傷、救急車147台が攻撃された。ナッセレディン保健大臣は医療セクターに対する「体系的な標的攻撃」と厳しく非難した。ヒズボラは3月初頭以降、イスラエル支援のイランに対する支持を表明しており、同国の攻撃によりレバノンではこれまでに少なくとも2,896人の死者が出ている。

米国が仲介した休戦は45日間延長されたが、暴力は継続し、ヒズボラとの交戦が続いている。レバノン政府は8月にヒズボラの武装解除を約束したが、国軍を上回る武力を保持する同勢力の影響力は根強く、困難を極めている。米国はヒズボラ関連の9人物に制裁を科し、イラン駐留大使や軍・議会・治安部門の要人も含まれる。レバノン軍は制裁を拒絶し、全軍の忠誠を強調した。

一方、洪都拉斯では北部トリジョ市にて、パームプランテーション襲撃で19人が銃殺された。地元の農村グループ代表は、犠牲者がプランテーションを支配する武装組織の従業員だったと指摘する。一方、国境付近のオモアでは、治安部隊が襲撃を受け警察官6人が死亡。国家警察は直ちに影響地域へ介入し、犯人逮捕と市民保護を約束した。

同国は長年、麻薬密輸と農地争奪を巡る武装勢力の抗争に悩まされてきた。新政府はトランプ米大統領と親密なアスフラ大統領の下、緊急事態宣言を終了し、組織犯罪対策を強化。今週成立した法律により、ギャングや麻薬カルテルをテロ組織として指定可能となり、新組織犯罪対策部隊が創設された。しかし、多国籍農業企業の関与疑惑や活動家への暴力など、治安回復には依然として重い壁が残っており、市民の安全と人権保障が課題となっている。

カナダのカーニー首相、アルバータ州の「不可欠」性を強調 州内独立住民投票巡る政治的対立深まる

カナダのマーク・カーニー首相は15日、石油資源が豊富なアルバータ州が国の経済計画の中心に位置し「不可欠」であると強調した。直前、同州で独立賛否を問う住民投票の実施に向けた動きが加速しており、カーニー政権は連邦と州の協調を訴えつつ、国内の分断を避ける対応に追われている。

アルバータ州のダニエル・スミス州首相は、独立投票を巡る請願書が裁判所によって無効とされたことに対し、民主的権利を妨げる「誤った判断」と反発し、10月19日に独立実施の是非を問う住民投票を行うと表明した。請願書提出後、先住民族への協議不備を理由に裁判所が手続きを停止させたため、実施の法的見通しは不透明だ。カーニー首相はカナダの都市カルガリーを訪れ、アルバータ州から西海岸への石油パイプライン建設の迅速化など、連邦と州のエネルギー協定を締結。環境規制の緩和に前向きな姿勢を示す一方、イランとの戦争に起因する世界的なエネルギー危機や、ドナルド・トランプ米政権との緊張関係を背景に政策調整に腐心している。一方、環境保護を重視する自由党議員14人が環境譲歩への警戒を表明し、国内の分断が浮き彫りになっている。

世論調査ではアルバータ州民の多数が独立に反対しているものの、今回の動きは連邦政治における極端な政治的対立を深める可能性がある。保守系のスミス州首相やピエール・ポワリエフ連邦保守党党首は独立反対を唱えるものの、自由党議員からは政治的駆け引きによる国内分断を招くとして批判も噴出している。カーニー首相は経済再生と連邦の統合維持という二つの課題を抱え、今後の法的手続きと政治交渉に注目が集まる。

仏大統領選へアタル氏出馬、ナイジェリアでエイン氏が教育長官に就任 若手技術官僚の登用が国際的に加速

フランスおよびナイジェリアで、若手指導者による政治・行政への本格参画が相次いで始まった。フランスでは2024年に首相を務めたガブリエル・アタル氏が来年の大統領選への立候補を正式表明し、極右勢力に対抗する中道陣営の旗手として名乗りを上げた。一方、ナイジェリアではボラ・ティヌブ大統領が、40歳のセグン・アイナ教授を大学入試機構(JAMB)長官に任命し、若手技術官僚による教育制度改革への期待が高まっている。

アタル氏は南部ムル・ド・バルレズ村で報道陣の前に出馬を宣言した。37歳(来年3月に38歳)のアタル氏は、2024年にフランス史上最年少の首相に就任し、マクロン前大統領の急成長になぞらえられる存在だ。彼は「フランスの政治に、衰退管理の50の選択肢しかないとはいられない」と強い危機感を示し、極右国民連合(RN)や中道右派のエドゥアール・フィリップ氏、極左のジャン=リュック・メランション氏らを抑え、中道派の支持基盤を強化する狙いがある。大統領選は来年4月に予定されており、RN陣営からはマリーヌ・ルペン氏やジョルダン・バルデラ氏が候補として名乗りを上げている。

一方のナイジェリアでは、ティヌブ政権がアイナ教授のJAMB長官任命を「若手ナショナリストの卓越性と能力主義に基づくリーダーシップへの信頼表明」と位置づけている。アイナ教授はオバフェミ・アウォロワ大学コンピュータ工学科の教授であり、デジタル信号処理の博士号を持つ。過去15年間、国内の試験機関や教育省と連携し、試験のセキュリティ強化やデジタル変革、結果の透明性向上に取り組んできた実績を持つ。大統領の戦略顧問であるバヨ・オナンガ氏は、この任命が「経験、革新、世代間の包含の意図的な融合」を体現すると説明した。

両国における若手指導者の登用は、伝統的な年齢や経歴の枠組みを超え、実務能力と技術的専門性を最優先する国際的な潮流を反映している。フランスでは中道派の支持取りが焦点となる中、ナイジェリアでは教育制度改革が国家発展の鍵を握る。いずれも有権者や国民の期待を背負った新たな政治・行政の局面へと移行しつつある。

ガザ行援助船団拘束活動家、イスラエル当局の虐待を告発 国際的非難と制裁議論加速

ガザへの人道支援を目的とした民間船団の拘束から解放された活動家らが、イスラエル当局による暴力や性的暴行を含む虐待を告発した。インドネシア人のジャーナリストやイタリア、フランス、スペインなどの欧州各国市民が含まれるこの事件を受け、インドネシア政府や国際的な報道の自由団体、複数の外国政府がイスラエルの対応を非難している。

27歳のインドネシア人ジャーナリスト、アンドレ・プラセティオ・ヌグロホ氏は拘束後、父のウォルソノ氏とビデオ通話で再会した。ウォルソノ氏は息子が手足にあざを負い、拘束具で手首を強く縛られた跡があることを明かし、アンドレ氏からイスラエル当局者による乱暴な扱いを聞かされた。アンドレ氏はテレビ局「テンポTV」所属で、船団には他に3人のインドネシア人記者が同行していた。活動家側によると、少なくとも15人が強姦を含む性的暴行を受け、ゴム弾を至近距離で撃ち込まれたり、数十人の骨折を負わされたという。イタリアの経済学者ルカ・ポッジ氏は身ぐるみはがされ地面に叩きつけられ、弁護士へのアクセスを拒否されたと証言した。フランス側では5人がトルコで入院し、肋骨や脊椎の骨折、性的暴力の具体的な告発が確認されている。

これに対し、イスラエルの刑務局は全ての被拘禁者が法に従い基本権を尊重して扱われていると主張し、関係閣僚が投稿した拘束中の活動家を見下すような動画について「事実に基づかない」と強く否定した。イスラエル国防省や外務省の対応は刑務局に委ねられた。イタリアのタヤニ外相はナト会合の傍らでEU加盟国と連携し、閣僚イタマル・ベン・ギ维尔への制裁導入を急ぐ意向を示した。スペインの外務大臣は44人の帰国便が到着し、4人が医療措置を受けたと明かした。EU外交政策担当のカタリーナ・カラス氏は昨年同閣僚への制裁を提案したが、全会一致の条件を満たせず頓挫していた。EUスポークスマンは制裁が加盟国27カ国による全会一致で決定される手続きであることを強調しつつ、非公開の議論については言及を避けた。

船団事件はイスラエルの国際的立場にさらなる圧力をかけ、外交的摩擦を深める形となっている。活動家側は世界の見識が参加者の苦難に注がれている間に、イスラエルがパレスチナ人拘禁者に日常施加する残虐行為の一端に過ぎないと強調した。拘束・釈放に関与したイスラエル当局者側と活動家組織側との対立は、国際社会における人道支援の航行自由と法執行のバランスを巡る議論をさらに激化させている。

米海軍長官代理が対台湾兵器売却一時停止表明、北京は明確な反対を再確認

米国海軍長官代理が対台湾向け140億ドル規模の兵器売却を一時停止すると表明したのを受け、中国外交部は反対の立場を再確認した。台湾側も現時点で売却計画の調整に関する公式情報を受けていないとしており、米中両国の思惑が交錯する中で台湾の安全保障が新たな局面を迎えている。

米上院歳出委員会軍事小委員会の公聴会において、米海軍長官代理のハン・カオ氏は「必要な弾薬が確保できていることを確認するため、現在は一時停止を行っている」と述べた。その上で、管理当局が必要と判断すれば外務軍事売却は再開すると説明した。これに対し、中国外交部の郭嘉昆報道官は定例会見で、「中国の対台湾地域への武器売却に対する厳格な反対姿勢は一貫しており、明確で揺るぎないもの」と強く反発した。カオ氏はまた、イランとの戦争における弾薬備蓄の確保を目的とした措置であることを示唆した。

台湾総統府の郭雅慧報道官は、トランプ米大統領が検討していると報じられている兵器パッケージの調整に関する情報を現時点で受けていないと明かした。トランプ氏は先週、対中貿易交渉における「非常に優れた交渉の材料」と位置づけ、売却の可否は中国次第だと発言していた。郭報道官は、昨年12月に承認された別パッケージの資金審議が最大の課題であると指摘し、立法府による迅速な承認を期待した。また、与党・民主進歩党の荘瑞雄首席執行委員は、米国の姿勢に対する懐疑論を拡散するよう国民に呼び掛けつつ、台湾自身の防衛産業強化と国産化の必要性を強調した。

中国国民党や台湾民众党の議員らは、米中首脳会談の影響に関する特別報告を卓栄泰氏に求める案を共同提出し、米国の曖昧な態度が台湾を両大国の交渉材料にする恐れがあると懸念を表明した。米国の兵器売却一時停止は、台湾の防衛計画に不確実性をもたらし、地域安全保障の構図にさらなる影響を及ぼす可能性がある。

民主党、2024年大統領選敗北の「解剖報告書」公開も議長が拒否。イラン戦争権限法案の採決も中断

米民主党全国委員会(DNC)は、2024年大統領選でのカマラ・ハリス候補敗北に関する192ページの「解剖報告書」を公開した。しかし、ケン・マーティンDNC議長は直ちに同文書の承認を拒否し、党内の分裂と政策転換の必要性を浮き彫りにした。同時に、下院共和党はイランとの戦争を終結させる戦争権限法案の採決を中止し、共和党指導部を「臆病」と非難する民主党トップ議員らの声明が交錯するなど、議会内の力学が大きく動いている。

報告書は、民主党が州政党への資金不足や「全有権者の声に耳を傾けない持続的な不能力または拒絶」によりトランプ共和党に地盤を譲ったと指摘する。特に男性、大学非卒業者、不定期投票者、地方有権者での支持率低下が強調された。報告書はハリス氏が地方を「切り捨て」、都市・郊外の僅差を過大評価したと分析し、「抽象的な問題やアイデンティティ政治」から距離を置く必要性を説いている。

進歩派議員からは強い反発も噴出した。アレクサンドリア・オカシオ=コルテス下院議員は、報告書でガザの状況が「一度も言及されていない」ことが信じられないと指摘し、2024年の主要な争点だったと批判した。ロ・ホナ下院議員も、ガザでの虐殺に対しイスラエルとネタニヤフ政権に「ブランクチェック(無条件の支持)」を渡したことが敗北の一因だと主張した。

議会では、イランとの戦争終結を目的とした戦争権限法案をめぐる動きも注目される。マイク・ジョンソン下院議長は採決を中止し、ドナルド・トランプ大統領の戦争支持に関する政治的不利益を回避した。ハキーム・ジェフリーズ氏ら民主党のトップ議員らは、共和党指導部を「cowardly(臆病)」と非難している。採決は6月の会期再開まで延期され、その際には可決される可能性が高いと見られる。

選挙敗北の分析と戦争権限法案の中断は、中間選挙を控え、民主党が直面する政治的課題と議会の力学変化を如実に示している。党内の意見対立が政策決定プロセスに与える影響は長期化し、2026年下半期の政治日程がどう転換するかが焦点となる。

イラン米交渉で「僅かな進展」も海峡封鎖と核問題で膠着、パキスタンが仲介役として活発化

2月28日に始まったイスラエルと米国の戦争終結を目指し、パキスタンのアシム・ムニル陸軍総司令官がイランを訪問し、仲介役として活発に動き出している。米国側はマルコ・ルビオ国務長官が交渉に「僅かな進展」があったと評価する一方で、ホルムズ海峡の封鎖や核問題などを巡り根本的な対立は解消されておらず、交渉は依然として難航している。

ムニル陸軍総司令官はテヘランでエスカンダル・モメニ内務大臣らと会談し、地域平和と安定、米イラン間交渉の進展について協議した。これに先立ち、パキスタンのナクヴィ内務大臣もイラン外務大臣と会談し、カタールの交渉チームも合流するなど仲介体制が強化されている。イラン外務省のバガエイ報道官は交渉が「転機」にあると指摘しつつも、両者の溝は「深く重大だ」と述べ、核問題の詳細は現時点では議論されていないと明らかにした。

米国側ではドナルド・トランプ大統領がイランに「合意を切望している」と述べ、軍事攻撃を一時的に停止して交渉を継続する姿勢を示している。ルビオ国務長官はホルムズ海峡の通行料徴収案を「受け入れられない」と強く反発し、交渉が進展しない場合大統領が「他の選択肢」を持つ可能性を示唆した。イラン側は最新の提案で海峡支配権、戦争補償、制裁解除、凍結資産解放、米国軍撤退などを求めたが、米国側はこれらを既に拒否しており、合意には至っていない。

戦争と海峡封鎖は世界経済に深刻な打撃を与え、エネルギー価格の高騰とインフレ懸念を招いている。EUはイランの海峡封鎖を国際法違反と見なし、新たな制裁措置を検討中だ。交渉の行方次第で経済回復の道が開けるか、あるいは新たな軍事衝突に発展するかが国際社会の注視するところとなっている。

2027年総選挙:APCがエング、クワラ、ジグワ州の知事選候補を正式擁立

2027年総選挙を前に、与党全進歩党(APC)がエング州、クワラ州、ジグワ州の知事選候補を正式に擁立した。各州で党の予備選挙または合意形成プロセスが完了し、現職または現職に近い候補が党の指名を得たことで、2027年総選挙の情勢がさらに明確化している。

エング州では、現職知事のピーター・ンバ氏が党の知事選候補に正式に選出された。同氏は国際会議センターで行われた承認演説で、自身の統治哲学を象徴する「明日はここにある」を掲げ、治安改善、スマートグリーン・スクールの導入、全260地区への一次医療センター整備、農業機械化、産業再生、航空・交通インフラの整備など、実績を詳細に列挙した。39万7,370人の党員が参加した予備選挙の結果、同氏は支持を表明し、タヌボ大統領の政策が州の開発資源の増加に寄与したことも評価した。

クワラ州では、州議会議員のヤクブ・ダンラディ=サリフ氏が党知事選候補に選出された。同氏は9万4,000票以上を獲得し、現職のアブドゥルラフマン・アブドラザク知事が当初支持を表明していた実業家のアブドゥルファタイ・セリキ=ガンバリ氏から支持を転換した結果、勝利を収めた。クワラ州APCでは、後継者争いを巡る党内の対立が激化し、ガンバリ氏支持派と見られる集団が党本部を包囲する事態も発生し、予備選挙が1日延期された。政府関係者によると、この支持転換は党内の政治的計算や連邦政権との協議によるものだとされている。

ジグワ州では、ウマル・ナマディ州知事が党の合意形成候補として再確認された。ドゥテの町立競技場で行われた集会では、党指導部や元州知事、連邦議会議員、独立選挙委員会(INEC)関係者などが列席し、ナマディ氏は「グレイター・ジグワ」開発アジェンダの継続を約束した。同氏は今回の擁立が政治プロセスの第一歩に過ぎないと指摘し、2027年総選挙で全APC候補の当選に向けて党員の一丸たる結束と動員を呼び掛けた。

3州とも与党APCが候補を一本化し、対立する人民民主党(PDP)が前上院議長のブコラ・サラク氏を筆頭に再奪還の動きを強めている中、APCの候補擁立は2027年総選挙の構図を決定づける重要な節目となった。各候補は実績や合意形成のプロセスを強調し、有権者の支持を得るための本格的な選挙戦への布石を打った形だ。

シンガポールの上級政務次官コー・ポククン氏、家族の事情により政治職を退任 議員としては続投へ

シンガポール政府は22日、労働・保健上級政務次官を務めるコー・ポククン氏が、家族の事情を理由に政治職を退任すると発表した。辞任は6月1日付で発効し、同氏はタンプインズ地区選出の国会議員(MP)としては引き続き現職を務める。

コー氏は自身のソーシャルメディアで、2015年の政界入り以来、国家や有権者のニーズを家族に優先させてきたため、「欠席する夫、父親、息子」であったと回顧した。長年、家庭での負担を妻が背負い、両親や子供の世話を一人で担ってきたことを明かし、現在の家族の事情が政治職の要請と両立しないとの結論に至ったと説明した。最近、経済戦略レビュー委員会での業務が完了したこともあり、優先順位を見直す時期であると判断した。

この退任に対し、ローレンス・ウォン首相はコー氏の10年間にわたる政治職での奉仕と、貿易・産業、労働、保健、環境、国家開発、労働運動など多岐にわたる分野での貢献に謝意を示した。ワン・イエ・クン保健相は「誠実な助言」としての役割を懐かしみ、公衆医療の現場で医師として復帰することを期待する意向を示した。タン・シー・レン労働相はパンデミック期の冷静なリーダーシップや、プラットフォーム労働者やシニア雇用の政策形成への貢献を高く評価した。

コー氏は今後の数ヶ月を家族との時間を過ごし、次のステップを検討するために充てる考えだ。政治職を退任しても、有権者代表としての議員活動は継続すると表明しており、今後の動向が注視される。

ニジェリヤAPC、4州知事候補者選出で圧勝/2027年総選挙へ党内統合と対立が交錯

2027年総選挙を見据えたニジェリヤの与党「全進歩党(APC)」が、ヨベ、ベヌエ、アビア、クワラの4州で知事候補者選出選挙(プライマリー)を実施し、各州の当選者を選出した。一連の選挙は党員による直接投票や透明性の確保を掲げる一方で、候補者間の激しい争いや党内の対立が表面化するなど、2027年総選挙に向けた党の体制強化と内部統合の試練が浮き彫りとなった。

ヨベ州では元州政府書記官のババ・ワリ氏が23万6千票余で圧勝し、候補に指名された。当選者は現マ・ブニ知事や元イブラヒム・ゲイダム前知事の支援に謝意を示し、両氏の後継プロジェクトを引き継ぐ意向を表明した。一方、ベヌエ州では現知事のハイシンス・アリヤ氏が36万7千票余で当選。アリヤ州知事は直接投票制度の採用を評価し、インフラ整備と開発プログラムを継続する方針を示した。

アビア州では実業家のエリック・オパ氏が12万6千票余で勝利し、2027年の知事選で労働党系のアレックス・オッティ現知事を破る布石を打った。クワラ州では、候補者間の対立や治安部隊の動員を余儀なくされた混乱を経て、ムスリウ・オバニコロ委員長率いる選挙委員会が「自由で公平な」投票の実施を約束し、最終的に選挙を完了した。クワラ州ではアブドルラーマン・アブドラザク知事が特定の候補者を支持する姿勢を見せたことが党内の緊張を高め、選考過程での多数の失格者発生も相まって党内の亀裂が深まっている。

一連のプライマリー結果は、APCが2027年総選挙に向けて各州の党組織を統合し、現職知事や有力実業家を候補として擁立する戦略を加速させていることを示している。しかし、ベヌエ州における政府書記官(SGF)派閥との権力闘争やクワラ州での候補者強要疑惑、多数の失格者発生など、党内の対立構造は完全には解消されていない。APCは透明性と民主的プロセスを強調しているものの、2027年総選挙に向けた最終的な候補者擁立と党の結束が、今後のニジェリヤ政治情勢を左右する鍵となるだろう。

JDヴァンス氏が推進する鉄道安全法、連邦下院法案に付帯 物流コスト増と安全性の懸念

JDヴァンス氏がホワイトハウスから鉄道安全法の復活を推進しており、関連する道路整備法案に付帯される形で審議入りしている。この法案は2023年にオハイオ州イーストパレスティンで発生した貨物列車脱線事故をきっかけに導入されたが、その主要な規定は同様の事故を防ぐものではなかったと指摘される。

法案は自動化の進展から労働組合を保護する狙いがあり、列車乗務員を2名に義務付けることや、危険物積載車両の検査時間を行政側が設定することを求める。しかし、画一的な規則は優れた技術への投資を阻害し、危険物輸送の安全性を低下させる逆効果をもたらす可能性があると警告される。実際、規制がない中で鉄道業界は過去20年間で脱線事故を46%、労働者の犠牲者数を54%減少させ、昨年は記録的な安全記録を樹立している。

現在ヴァンス氏がホワイトハウスから法案を推進しており、連邦下院交通委員会に付帯する形で通すよう圧力をかけた。中間選挙を前に物流コストの上昇を招くこの法案を可決することは避けねばならず、下院指導部は投票前に法案の削除を急ぐべきだと論説は結論づけている。

経済 (Economy)

中国のファストファッション巨人Sheinが倫理派アパレル「Everlane」を買収

中国の超高速ファッション企業Sheinが、環境配慮と透明性を謳う米アパレルブランド「Everlane」を買収することで合意した。EverlaneのCEOアルフレッド・チャンが従業員宛ての書簡で取引を承認し、同社は独立ブランドとして存続し、持続可能性へのコミットメントと品質基準を維持すると表明している。

Everlaneは2011年にマイケル・プレスマンとジェシー・ファーマーによって創設され、手頃な価格の環境配慮型衣料の提供をミッションとしていた。2017年に初の実店舗をニューヨークで開業したが、近年は労働条件や待遇をめぐる報道で議論に巻き込まれてきた。2020年9月にプライベート・エクイティ企業L Cattertonが筆頭株主となり、2024年にチャンがCEOに就任した。チャンは取引により、製品開発、イノベーション、スタッフへの投資を強化できると強調し、現在の経営陣がそのまま留任すると述べた。グローバルデータ・リテールのNeil Saundersは、販売の低迷と債務の増加に直面するEverlaneにとって、Sheinからの資金提供が生存に不可欠だと分析している。

米国のトランプ政権下での関税や貿易制限により、ファストファッション市場の成長が鈍化する中、SheinはEverlaneを通じて米国市場での基盤を強化し、高価格帯のオンライン小売モデルへの参入を図る。しかし、倫理的な調達をウリとするブランドと低価格大量生産を特徴とするSheinの統合は、既存顧客の反発を招く可能性がある。コンサルティング会社のKearney Consumer Instituteを率いるKatie Thomasは、この取引がブランドの存続をもたらす一方で、長年のブランド価値との整合性をどう保つか、そしてSheinの顧客が上級層へ移行するかどうかという課題を残すと指摘している。業界では、この統合がもたらす影響は依然として不透明なままとなっている。

AI導入が企業人事に与える影響:金融界隈の人員整理とAWSの技術革新が示す未来

急速に進展するAI技術の導入を巡り、企業トップの姿勢が分かれている。スタンダード・チャータード銀行のビル・ウィンターズCEOは、バックオフィス業務の15%削減計画を公表した際、「低価値な人的資本」をAIが置き換えると述べた発言を巡り、従業員への謝罪声明を出した。一方、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)のマット・ガーマンCEOは、AIが経営陣を置き換えることへの懸念を示さず、むしろAIを駆使する人材の必要性を強調している。

ウィンターズCEOはLinkedInで二度目の投稿を行い、言葉の選択で不安を抱かせたことについて謝罪。全ての従業員を高く評価しており、業界の加速度的な変化に対応できるようスキル再習得を支援する姿勢に変わりはないと説明した。AWSのガーマンCEOも、ウォール・ストリート・ジャーナルのインタビューで、AIそのものよりも、その技術をより効率的に活用できる競合他社への対応が課題だと指摘。基礎的なコーディング能力の価値は低下する一方、システム構築や顧客課題解決を俯瞰できる開発者への需要は加速していると分析する。

両社の動向は、AI技術の普及が単純な業務削減ではなく、企業内の役割再定義と人材のスキル転換を強制していることを示唆している。技術の導入そのものよりも、それをいかに業務効率化や顧客価値向上に結びつけるかが、今後の企業競争力と人材の存続を左右する鍵となるだろう。

中国当局、ミャンマー詐欺ボス起訴と越境ブローカー調査で資本流出封じを徹底

中国当局は、ミャンマー北部の犯罪ボスらによる大規模な詐欺・殺人事件の裁判を開始すると同時に、香港やニュージーランドで登録する越境取引ブローカー3社に対する調査を本格化させた。両者は資本流出の防止と国内市場の統制強化を目的とした一連の取り締まりの一環であり、当局が「違法な越境証券活動」の根絶を目指す動きが加速している。

中国国営放送CCTVの報道によれば、ミャンマーの犯罪ボスである魏懷仁(ウェイ・ホアレン、別名:外三)らシンジケートメンバーが福建省泉州市の中間人民法院で起訴された。検察側は、2019年以降、同シンジケートがミャンマーコカンの軍事・政治的影響力を活用して複数の詐欺施設を運営し、中国の被害者から約240億元(約35億ドル)をだまし取ったと主張する。また、中国人2名の殺害や、電脳詐欺事業者に対する武装保護なども罪状に挙げられている。魏の甥である陳大偉や、廖景芳、康敏、熊興星ら3名も関与・起訴されており、裁判は金曜日に終了したが判決は未定である。

同時に、中国証券監督管理委員会(CSRC)は5月22日、越境取引を行う主要なブローカー3社に対する包括的な調査を開始すると発表した。対象は香港登録の富途(Futu)と龍橋(Longbridge)、ニュージーランド登録のTiger Brokersである。当局は、これらの企業が必要な承認や免許を取得せずに中国国内で証券関連業務を実施し、証券法を違反していると指摘。民間の個人投資家が海外市場に直接投資することを禁止する規制枠組みにおいて、これらのブローカーは長年グレーゾーンで営業してきたとされる。CSRCは公安部や中国人民銀行を含む7機関と連携し、違法な越境証券活動を対象とした2年間のキャンペーンを実施すると発表した。

調査対象の富途は、中国本土のアイデンティティを持つ申請者の口座開設を中止し、当局の指導に積極的に従い是正要求を遵守していると表明した。同社の顧客のうち中国投資家は約13%を占める。専門家は、当局の狙いは違法な資本流出そのものを懸念するだけでなく、状況の完全な掌握と流出ルートの遮断にあると分析している。今後は香港経由の越境ブローカーを含む規制網が完全に強化され、中国国内からの資金流出が事実上封じられる情勢へと移行すると見られる。

マクドナルド台湾、一部商品値上げへ 5月下旬から実施

ファストフードチェーンのマクドナルドは、台湾全店で一部商品の価格改定を行うと発表した。5月27日(水)から実施され、値上げ幅は最大で新台幣5元となる。

同社の発表文によると、エクストラバリューセットおよびシェアリングボックスの価格は新台幣5元引き上げられ、朝食セットやクリーミーコーンスープは新台幣3元値上げされる。これらのセットを構成するメイン商品の単品注文価格は据え置きとなる。また、ミディアムサイズレモンアイスティーやホットカプチーノの新台幣3元値上げ、ナゲット用追加ディップソースの価格改定も予定されている。

今回の値上げは台湾各地の店舗で適用され、企業側が公式に価格戦略の変更を伝えた形だ。

社会 (Society)

中国、戸籍制度(胡口)の緩和を表明 移民労働者の公共サービス格差是正へ

中国国務院は金曜日、戸籍制度(胡口)に関する変更案を提示し、長年移民労働者に影響を与えてきた都市部の登録制限撤廃を各都市に呼びかけた。国家メディアの報道によれば、この方針は居住状況に関わらず市民に公平な公共サービスアクセスを推進するものであり、経済社会設計図である15か年計画の趣旨を強く反映していると分析されている。

1950年代に導入された胡口制度は人口移動を規制し、国民を都市または農村に分類するものだった。これまで登録地(一般的に出生地)でのみ健康保険や教育が利用できたが、主要都市には巨大な移民労働者人口が存在する。国務院のガイドラインは、従業員社会保険参加における戸籍制限の完全な撤廃を求めている。さらに居住地における医療保障の強化と、義務教育段階の公立学校進学率向上など移民児童の教育保証改善も提案された。

経済知能ユニット(EIU)の張英氏は、予想はされるものの一斉の議論の台頭は歓迎すべきと評価した。専門家の間では人口誘致を目的とした類似政策がすでに中小都市で実施されているとされる。今後は北京や上海といった超大都市がどの程度の範囲でこの措置を採用するかどうかが焦点となる。国務院は、基本公共サービスへの平等なアクセス促進が内需の可能性を引き出すことに寄与すると述べている。

エベレストで記録的登頂ラッシュ中、2人のインド人登山家が死亡 過密状態に警告の声

ネパール南部ルートのエベレストで記録的な登頂ラッシュが起きる中、2人のインド人登山家が死亡した。専門家は世界最高峰の過密状態を警告しており、今シーズンの登山家死者は計5人に上っている。

旅行会社「Pioneer Adventures」取締役のニヴェシュ・カルキ氏によると、死亡したのは5月20日に頂上到達を果たしたサンディープ・アレ氏と、翌21日に到達したアロン・クマール・ティワリ氏の2人である。両氏は高高度での下山中に体調を崩し、遺体回収作業が進められている。今シーズンはネパール側から275人が頂上到達を報告し、記録を更新している。中国側のチベットルートは今年封鎖されており、すべての登山者がネパール経由に集中している。また、英国人ガイドのカントン・クル氏も20回目の登頂を果たし、非ネパール人の記録を塗り替えた。

頂上を目指す登山隊の長蛇の列や、低酸素地帯での渋滞が確認されている。今月、歴史的な32回目の登頂を果たしたカミ・リタ・シェルパ氏は帰国後、「今回の遠征は少し混雑していた」と指摘。政府による規制強化や登頂資格の厳格化を求め、「質の高い登山家のみを受け入れ、人数制限を設けるべきだ」と語った。今シーズン、外国人向けに発行された登山許可証は過去最多の492枚に達し、4月のシーズン開始以来約600人が頂上へ到達している。天候悪化による登山期間の短縮が懸念される中、過密状態による事故リスクが高まっており、登山界の安全対策と規制強化が急務となっている。

バングラデシュで少女強姦容疑者奪還を目指す抗議デモ、警察と衝突

バングラデシュ第二の都市チャッタグラムで、4歳少女の強姦の疑いで逮捕された容疑者の奪還を試みる約5,000人の抗議者らと警察が衝突した。当局は状況を鎮静化させ、容疑者は即日裁判に付される見通しである。

警察によると、容疑者モンイル・ホッサインは地元住民によって拘束され、当局への引き渡しのため移送中だった木曜日に緊張が高まり、衝突に発展した。群衆が警察車両を包囲して奪還を図ったため、警察は増援を派遣し催涙弾を発射。衝突は約6時間にわたり、警察車両1両が放火された。チャッタグラム大都市警察の報道官は「状況は現在制御下にある。犯人は本日、裁判所に送致される」と明らかにした。4歳の被害者は現在も病院で治療を受けている。

今月2日には首都ダッカで7歳少女の強姦・殺人事件が勃発し、デモの火付け剤となった。タリク・ラフマーン首相は被害者の家族に面会し、迅速な正義の実現を約束している。政府統計によれば、女性や子供に対する暴力事件の届出件数は2月1,181件、3月1,425件から4月は2,011件と急増している。人権活動家は司法の遅滞と有罪率3%、被疑者70%の釈放という実態を指摘し、「正義の実現を求める声がこの抗議デモの波を呼んだ」と述べている。

文化 (Culture)

K-POPグループBTS、世界ツアー「Arirang」の香港・シンガポール公演日程を正式発表

K-POPボーイズバンドBTSが、メンバー全員が韓国での法定兵役を完了した後のグローバルステージ復帰を記す世界ツアー「Arirang」の日程を発表した。主催者Live Nationの発表により、2026年12月にシンガポール国立スタジアムで4夜、2027年3月には香港のカイタク・スタジアムで3夜にわたり公演が行われることが明らかになった。

シンガポール公演は2026年12月17日、19日、20日、22日に開催され、日本および韓国を除くアジア地域での最長滞在となる。7年ぶりの完全体での同国訪問となる。ツアーは2026年4月9日、11日、12日に高陽で3公演を開始し、アジア、北米、欧州、オーストラリア、南米の34都市で計85公演を行う予定。チケットはS$148〜S$388で、6月3日よりARMY会員、6月4日よりLive Nation会員、6月5日より一般販売が行われる。Live Nationは5月22日のプレスリリースで、Kallang Groupとの強力なパートナーシップにより東南アジアのファンにとっての記念すべき瞬間を創出したと述べている。

香港では2027年3月4日、6日、7日に5万人収容のカイタク・スタジアムで夜7時30分から公演が行われる。チケット価格はHK$799〜HK$3,299。VIPパッケージには本番前のサウンドチェック参加権や限定グッズが含まれる。ARMY会員の先行販売は6月9日午前11時、登録は5月22日から27日まで受け付ける。

この大規模ワールドツアーは、メンバー全員が兵役を完了した後の本格復帰を意味し、東南アジアをはじめとする世界各国のファンにとっての「landmark moment」として期待されている。34都市での85公演は、グローバルなエンターテインメントシーンの動向を如実に示すものとなる。

スポーツ (Sports)

マンチェスター・ユナイテッド、カリックを永久ヘッドコーチに任命 3位通過とCL復帰の実績で信頼確立

マンチェスター・ユナイテッドは22日、マイケル・カリック氏を永久ヘッドコーチに正式に任命すると発表した。昨シーズン1月に暫定指揮を執って以来、チームの失速を食い止め、リーグ3位でチャンピオンズリーグ出場権を3試合前に獲得する快挙を成し遂げた手腕が評価されたものである。

カリック氏が就任して以来、リーグ戦16試合で11勝2敗を記録し、その間の獲得点数は他球団を凌駕した。マンチェスター・シティ、アーセナル、リヴァプール、チェルシーといった強豪を破り、チームに欠如していた競争力を蘇らせた。戦術面では、前監督が採用していた3バック体系から伝統的な4バックへ戻し、ブラーニョ・フェルナンデスをより自然な前線寄りの位置へ配置し直した。その結果、フェルナンデスはシーズン最多アシスト記録に並ぶ活躍を見せた。また、コビー・メインウーやハリー・マグワイア、フェルナンデスら選手からは、命令するのではなく冷静さと知性で繋がる指導スタイルが高く称賛されている。クラブはアモリム氏解任後、徹底的な採用プロセスを経てカリック氏を最良の選択と判断した。特に若年層育成への注力は、アモリム氏が育成試合をほぼ見なかったこととは対照的であり、選手層の底上げにも寄与した。44歳のカリック氏は現役時代、12年間同クラブでプレーしプレミアリーグ5回優勝などの実績を持つ。選手からは「冷静さ」「知性」「共感力」を武器に、ピッチ内外での環境整備に成功したと評価されている。

今季は40試合制のシーズンで3位という成績に留まったが、来季は60試合に及ぶ可能性もあり、その水準を維持するには組織強化が不可欠である。カセミーロの退団や中盤の起用課題、左サイドバックやゴールキーパーの競争力維持など、カリック氏には引き続き補強の課題が山積している。ただ、一時の混乱を収め、クラブに静かなる安定と明確な目的意識を根付かせた点は、長期的な再建の基盤となる重要な成果として評価されるだろう。

英代表トゥヘル監督、ワールドカップ26人大規模な賭けへ—パルマー、フォーデンを落選、トニー意外の招集

イングランド代表のトマス・トゥヘル監督は、2026年ワールドカップ本大会に向けた最終メンバー26名を発表した。チャンピオンズリーグ制覇経験を持つドイツの指揮官は、前監督ガレス・サウスゲートとは対照的に保守的な姿勢を捨て、独自の采配と「鉄の意思」で陣容を構築した。フィル・フォーデンやチェルシーのコール・パルマーといった主力攻撃陣を落選させ、サウジ・プロフェッショナルリーグのアル・アハリ所属イヴァン・トニーを急遽招集するなど、大きなリスクを伴う「賭け」に打って出た。

招集メンバーは、GKにジョーダン・ピックフォード、ディーン・ヘンダーソン、ジェームズ・トラフォードの3名。DFラインでは、マンチェスター・シティのジョン・ストーンズを怪我に配慮しながらも先発候補に据える一方、マンチェスター・ユナイテッドのハリー・マグワイアとルーク・ショーを落選させた。マグワイアは自身の選出漏れに「衝撃と落胆」を表明し、その母ザオイア氏も強い失望を示している。MFには、レアル・マドリードのジュード・ベリンガム、デクラン・ライス、エリオット・アンダーソン、コビー・メインウー、ニコ・オライリー、ジョーダン・ヘンダーソン、モーガン・ロジャーズ、エベレキ・エゼらが名を連ねる。FWでは、ハリー・ケイン、オリ・ウェータキス、ブカヨ・サカ、ノニ・マデュエク、マーカス・ラッシュフォード、アンソニー・ゴードンに加え、サウジアラビアで42得点を記録したトニーが選出された。

トゥヘル監督は、チームの結束とリーダーシップを最優先する方針を貫いた。パルマーは昨季10得点を挙げるも怪我やクラブの監督交代による不安定さが影響したと報じられる。同様にマンチェスター・シティのフォーデンも不調を理由に外され、プレミアリーグで高得点をマークするモーガン・ギブス=ホワイトやドミニク・キャルバート=ルインも落選した。指揮官は「痛みを伴う決断だった」と語った上で、経験豊富な選手や若手21歳以下のタイトル獲得経験者を集め、高いレベルでのローテーションと戦術的柔軟性を確保したい考えを示した。

本大会は6月17日にダラスでクロアチア戦から開幕し、ガーナ、パナマと続く。26人のメンバー構成は、怪我人のリスクや戦術適応力を天秤にかけたトゥヘル流の大胆な布石である。パルマーやフォーデンの落選はクラブでの不振が直結した結果だが、国際舞台での適応度を優先した采配は、60年ぶりのメジャータイトル奪還を目指すイングランドの行く末を左右する重要な分岐点となるだろう。