米国のドナルド・トランプ大統領が、共和党内部での忠誠心テストとして注目を集めたケンタッキー州第4選挙区の下院議員予備選で、再び勝利を収めた。トランプ大統領の支持を得た元海軍シールのエド・ギャレイン候補が、7期連続在任のトーマス・マシー議員を破り、次期中間選挙の共和党候補に確定した。この結果は、大統領が「不忠実な共和党員」を弾圧するキャンペーンにおける新たな勝利であり、与党議員がトランプ氏の意向に反した場合のリスクを浮き彫りにしている。
マシー議員は、イランやベネズエラへの米国軍事行動に反対し、イスラエルへの援助を批判するほか、トランプ氏の財政・税制法案や戦争権限決議に反対するなど、大統領の政策に対して独立した立場を貫いてきた。特に、元性犯罪者ジェフリー・エプスタインに関連する司法省ファイルの公開を民主党と連携して推進したことが、トランプ氏の怒りをかったとされる。大統領はマシー氏を「愚者」や「不誠実な者」と称し、選挙戦を通じて激しく攻撃。ギャレイン陣営は、親イスラエル系団体などの支持を得て、史上最多となる3200万ドル以上の広告費を投じて選挙戦を戦った。
マシー氏の敗北は、ルイジアナ州のビル・カッシディ上院議員の予備選敗退に続き、共和党内部でのトランプ氏の支配力が強化されたことを示している。ギャレイン候補は勝利演説でワシントンでの代表者としての役割を強調し、トランプ氏への支持を明確にした。一方、マシー氏は敗北演説で「原則に忠実に投票する人物を求める世間の渇望」を示唆したものの、有権者は忠誠心を独立性よりも重視したとの見方が強い。トランプ氏の支持率は低迷しておりガソリン価格の高騰も続く中、この結果は11月の中間選挙に向けた与党の戦略に疑問を投げかけるものとなっている。