スペインのカタルーニャ地方警察は、ファッションブランド「Mango」創設者イザク・アンディック氏の死を巡り、その長男ジョナサン・アンディック氏を逮捕したと発表した。イザク氏は昨年12月、バルセロナ近郊のモントセラト山脈でハイキング中に断崖から転落し、死亡していた。当初は事故死と見なされて捜査は終了していたが、捜査機関は今年10月にジョナサン氏の証言に矛盾点があるとして事件を再調査する方針を示し、今回の逮捕に至った。
家族代表は、ジョナサン氏が捜査機関の尋問を受けていることを確認しつつ、無実を強く主張している。イザク氏は1984年に弟と共にMangoを創業し、死去時には資産評価が45億ドルに上る実業家だった。ジョナサン氏は2005年に同社に入社し、2014年以降は実務責任を担うなど経営陣の一員として活動。父の死後は取締役会副議長に就任している。捜査関係者によれば、事件直後にジョナサン氏の携帯電話が押収され、関係者の証言も交えて事情が精査されている。
ジョナサン氏はこれまで父の転落は事故であると一貫して主張し、関与を否定している。家族側も「無実であることは確信しており、捜査の行方がその証明になると信じている」と述べ、無罪の原則に基づく扱いを求めている。カタルーニャ高等裁判所は事件の詳細を司法機密として保持しており、ジョナサン氏は今後、裁判官の前で証言に立つ予定だ。ファッション業界の重鎮の死を巡る法的プロセスは、依然として行方を探る段階にある。