The Morning Star Observer

2026年05月18日 月曜日朝刊 (Morning Edition)ArchiveAbout

ドローン攻撃でUAE原発周辺火災、脆弱な米イラン休戦状態にさらなる亀裂

日曜日にアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ郊外にあるバーカ原子力発電所を巡り、ドローンによる攻撃を受けて発電機付近で火災が発生した。当局は被害者の発生や放射能漏れのリスクはないと明らかにしたが、米国とイランの間で脆弱な休戦状態が続く中での同原発への波及は、地域情勢の新たな緊張を招いている。

アブダビ当局によると、アル・ザフラー地域における同原発の外周部から進入したドローンが電気設備に衝突し、火災を引き起こしたとされる。UAEの原子力規制当局は全基が通常通り稼働しており、安全基準に影響がないと強調。国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシ事務局長も深刻な懸念を表明し、核施設の安全を脅かす軍事活動は容認できないと非難した。

直ちに責任を表明する勢力は出なかったものの、嫌疑はイランに向けられている。イランは先月28日の米イスラエルによる本土攻撃以降、地域全体へ報復攻撃を展開。同国はUAEが自軍の基地提供や対イスラエル関連利益を認めると警告しており、実際には鉄のドーム防空システムと部隊が展開されていると米国の外交官は指摘している。一方、UAE国防省はイランの主張を否定し、領土防衛のための対応権を明確に留保した。米トランプ大統領は交渉停滞を受け、敵対行動の再燃を示唆しており、レバノンにおけるイスラエルとヒズボラの交戦激化もあって、停戦合意は揺らぎ続けている。

今回発生した火災は、世界石油・天然ガスの五分の一流通に関わるホルムズ海峡の封鎖問題や、湾岸諸国のエネルギー供給網に対する脅威として捉えられている。UAE外務省はこれを国際法および国連憲章の明白な違反だと断じ、いかなる敵対行為にも対抗する権利を有すると宣言した。核施設をめぐる一連の事象は、緩やかな休戦枠組みの実効性を試すものとなっており、地域全体の安定維持に向けた外交努力の行方が問われている。

ウクライナ軍の大規模ドローン攻撃でロシア側4人死亡、首都圏インフラにも被害

ウクライナ軍が夜間に仕掛けた大規模なドローン攻撃により、ロシア側で少なくとも4人が死亡し、多数の住宅やインフラが損傷した。ロシア国防省の発表によれば、約600機に上るドローンが14の州およびクリミア半島、黒海・アゾフ海上空を襲撃したが、防空網は556機の迎撃に成功。首都圏とその周辺地域が最も甚大な被害を受けた。

モスクワ州知事アンドレイ・ヴォロビョフ氏は、攻撃で住宅が倒壊し女性1人が死亡したほか、ミティシチ地区でも男性2人が犠牲になったと明らかにした。同州の石油精製施設付近では負傷者も確認されたが、稼働に支障はないと報告された。主要空港での破片落下も物理的損害はなく、インド大使館は自国労働者の死傷を確認し、現地当局と連携して支援にあたっている。ゼレンスキー大統領は今回の一斉攻撃を「完全に正当化される対応」と断言し、直近のキエフ襲撃で24人が死んだことへの報復であることを明記した。

トランプ米大統領は先週、モスクワとキエフが戦闘停止に向けた「間もなく合意に達するだろう」と信じているとの見解を示していたものの、現地の実情は依然として緊迫している。ハルキウ州では過去24時間で15の集落が標的にされ7人が負傷、ヘルソン州でも民間人がドローン爆撃で命を落としている。停戦交渉の動きと実際の交戦状態が並存する現状は、戦争終結への道のりが依然として険しいことを示しており、国際社会の和平調整と人道支援の行方が問われている。

マレーシア元閣僚ら与党離脱へ、アンワル首相の政局に衝撃

マレーシアのラフィズィ・ラムリ元経済相とニク・ナズミ・ニク・アフマド元自然資源・環境持続可能性相が、アンワル・イブラヒム首相率いる与党PKRを離脱し、議員席を辞任する意向を明らかにした。両氏は17日、小政党「Parti Bersama Malaysia」の運営を引き継ぐと発表し、正式に離党手続きと議席返上を進める方針だ。この動きは政権統一連合内の結束を揺るがすもので、政局に新たな変動をもたらすものとみられる。

両氏は同日の会見で、政治権力は政治家ではなく国民にあるとの理念に基づき、妥協なき新ビジョンを提示するプラットフォームを提供すると述べた。ラフィズィ氏は今回の決断を「自己犠牲的な使命」と位置づけ、候補者が全候補区で支持金を失うリスクや政治的失敗の可能性を承知の上でも実行すべきだと強調した。両氏は昨年、与党内の指導部争いで敗れたことを機に閣僚職を辞任しており、その後はメディアを通じて政権の改革遅滞や利益団体擁護を鋭く批判してきた。離党に伴い両氏の議席は次の総選挙まで空席となり、補欠選挙は回避される。アンワル首相は先の与党集会で、統一政府の関係悪化を理由に早期解散・総選挙を検討する可能性を示唆。現行法では2028年2月までに実施義務があるが、複数の議員が今年7月にも州議会選挙と連動して早急に投票が行われる可能性を指摘している。

政府関係者は両氏の動向を党内分裂を狙った「不健全な目的」と見なしており、対立が深刻化している。メラク州やジョホール州など各地で州政の任期が迫る中で、与党内の亀裂が政局不安定要因として表面化した形だ。ラフィズィ氏らが掲げる「改革路線」が与党員や有権者にどの程度支持されるかは不明ながら、既存の政治構造への挑戦として国内外の注目を集めている。今後、両氏の新政党が選挙戦でどの程度の影響力を獲得できるかが、マレーシアの政治地殻変動の鍵を握ることになる。

フィリピン最高裁にICC逮捕状執行の判断求める 逃亡中のデラ・ロサ上院議員

フィリピン政府は、元大統領ロドリゴ・ドゥテルテ氏の薬物掃討作戦を指揮したとして国際刑事裁判所(ICC)から人身拘束命令の対象となったロナルド・デラ・ロサ上院議員の逮捕・引渡しを許可するよう、同国最高裁に要請した。デラ・ロサ議員は現在行方不明となっており、フィリピンの法執行当局がその身柄を確保する法的根拠を求める動きとなっている。

ICCはデラ・ロサ議員に加え、ドゥテルテ元大統領らも「人道に対する罪」で訴追する逮捕状を発布している。両者とも非難を否定しているが、デラ・ロサ側はフィリピンが2019年にローマ規程から脱退したことに伴い、ICCの管轄権は失効していると主張している。これに対し政府側の首席弁護官は、すでに手続きが開始されている事項への協力は脱退によって免除されないとし、国内法に基づき重大国際犯罪の疑いがある者の引渡しが可能であると反論。同議員が裁判所に「不浄な手」をもって現れているとして、保護や救済の申請を却下するよう求めている。

デラ・ロサ議員は先週、一時的に上議院内に避難し、政府機関による逮捕試みを止めるよう最高裁に申し立てていたが、現在の居場所は確認できていない。フィリピン司法省は、最高裁が同議員の申立を審理するまでICCの逮捕状執行は保留されるとしつつ、国外逃亡を試みた場合は直ちに拘留すると表明している。ICCはこの薬物弾圧運動について2018年に調査を開始しており、2016年以降の作戦で数千人が死亡したと指摘されている。

政治 (Politics)

ハマスの軍事長官殺害:脆弱な休戦枠組への衝撃とゲリラ戦の残存能力

ガザ市におけるイスラエル軍の精密な二重攻撃により、ハマスの軍事部門「カッサーム旅団」の最高指揮官、イズル・アル=ディーン・アル=ハッダード氏が殺害された。この攻撃は民間人も多数巻き込み計7人が死亡し、50人以上が負傷した。ハマスは死を公式に確認し、「大規模な損失ではあるが、抵抗の長い道は続く」と声明を出している。

ハッダード氏は2023年10月の襲撃計画の主要設計者として知られ、複数の暗殺未遂を生き延げたことから「幽霊」の異名を持っていた。最近、後任としてカッサーム旅団の長に就任していたが、専門家は同組織が過去20年間にかけて階層型から分散型ゲリラ部隊へ移行しているため、指揮官の喪失による即座の機能停止は回避できると分析する。各ユニットは独自の補給網と戦術で自律的に活動しており、司令官の欠員は数日で補充される仕組みだ。また、休戦期間中にトンネル網や武器庫、戦闘編成の修復を着実に進めていた点も、軍事的影響を限定する要因と見られている。

両者の間には昨年10月に発効した休戦合意が存在するが、実態は脆い。イスラエルのネタニヤフ首相と国防相は今回の作戦を正当化し、トランプ米政権に対して継続的な排除行動の容認を求めていると指摘される。国際アナリストは、イスラエルが民間人や軍事関係者を標的とすることでハマス側の反発を誘い、合意を崩壊させてガザ全面占領作戦への道を開こうとする戦略ではないかと警戒している。

指導部の連続的な喪失は、ガザの住民や戦闘員にとって「血の盟約」として受け止められ、決意を強める効果をもたらす歴史的事例が多い。分散型の指揮系統と補充体制を備えるハマスは短期的な打撃を吸収しつつ、今後の休戦交渉の行方やガザ統治の将来像を巡る紛争の長期化が懸念されている。

ウクライナ軍の大規模無人機攻撃、モスクワ州で4人死亡…ロシア本土への報復

ウクライナ軍が過去最大級となる500機以上の無人機を投入し、ロシア本土を夜通しで攻撃した。モスクワ州の住宅やインフラが直撃を受け、少なくとも4人が死亡、多数が負傷した。ウクライナのゼレンスキー大統領は、首都キエフへのロシア軍攻撃に対する正当な報復措置であると表明し、ロシア政府に対し戦争終了を突きつけた。

ロシア国防省によると、14州およびクリミア半島、黒海・アゾフ海上空で計556機の無人機が迎撃された。モスクワ州知事アンドレイ・ヴォロビョフ氏によれば、モスクワ西北西のキシミ市で女性の死傷者や家屋損壊、首都北約10キロのポゴレリスク村で男性2名の死亡が確認された。また、国境に近いベルゴロド州でも車両直撃による死者が出た。モスクワ市内では、無人機の残骸がシレメチェボ国際空港敷地に落下したが、飛行に影響はなかった。セゲイ・ソバニン市長は、石油精製所入口付近で建設労働者ら12人が負傷したと明らかにしたが、施設自体の稼働には支障がないと述べた。

戦略国際問題研究所(IISS)のニール・ゴールド・デイヴィス上級研究員は、この攻撃が勝利祭後の休戦明けに行われたキエフ襲撃に対する明確な報復であると分析。ウクライナが首都近辺を長距離打撃できる能力を有していることを示し、ロシア国民の不安を強めると指摘した。一方、ロシア軍も287機の無人機をウクライナに投入し、中央地方のドニプロペトロウシク州などで8人の負傷者と住宅被害をもたらした。両国の攻防は前線から遠く離れた地域にも甚大な影響を及ぼしており、和平交渉の行方を含め情勢の混迷が深まっている。

ガザの支援キッチン襲撃で作業員3人死亡、ハマスは戦争犯罪と非難

イスラエル軍がガザ地区の避難民向け食料提供施設を空爆し、慈善活動に従事する作業員3人が死亡した。アルジャジーラの記者ヒンド・フーダリー氏がガザ市から報告したところ、同攻撃により複数の負傷者も出ている。

日曜日に中央都市デル・ベラフで行われた攻撃では、コミュニティキッチンのスタッフが犠牲となった。イスラエル軍は同日、黄色線と呼ばれる緩衝地帯内で武装した人物1人を殺害したと発表したが、証拠を示さなかった。また、ハマス戦闘員指揮官のバハー・バラウド氏殺害も主張しているが、確認は取れていない。ガザ保健省の集計によると、2023年10月7日以降の死者数は少なくとも7万2千人を超え、先月の停戦開始以降も871人に上る。

ハマスは今回の攻撃を「故意な戦争犯罪であり、パレスチナ人に対する絶滅行為の再開だ」と強く非難。国際社会の沈黙と無策が占領勢力の残虐行為を助長していると批判した。地域支配領域の約60%を管理するイスラエル軍の行動が人道支援を直撃する中、民間人の安全確保と支援組織の保護を巡る懸念が緊迫感を増している。

控訴審裁判所、EFCCのリバーズ州財務調査差し止め命令を維持

ポートハーカーの控訴審裁判所は、経済金融犯罪委員会(EFCC)によるリバーズ州政府の財務および公共会計への調査を差し止めた2007年の同州高等法院判決を支持する判断を下した。これにより、同機関は元州知事ペーター・オディリの政権時代の資金管理や公的記録に関する調査を継続することができなくなる見込みとなった。

金曜日に下された判決で、ウゴチュクウ・オガクワ氏ら3人の裁判官からなるパネルは、当該判決に対して上訴が行われておらず、現在も確定し拘束力を持つと明言した。オガクワ氏は判決理由書の中で、『憲法の解釈が適切かどうかに関わらず、上訴が行われなかったため、その判断は確定したものとして扱われ、反論できる余地はない』と述べた。この争いは1999年憲法の第120条から第128条の規定に基づき、州議会の財務・記録検査権限が他の機関と共有できないとする2007年の初審判決に端を発している。

オディリ氏は1999年から2007年までリバーズ州を統治し、2007年に連邦高等法院からEFCCによる逮捕・起訴および彼在任中の州政府財務調査を永久に禁じる仮差止め命令を取得していた。EFCCは2008年から同命令への異議申し立てを進めてきたが、実質的に約20年間、同機関からの捜査対象から外されていた。2018年に控訴審が再審査を許可した後、2025年3月に最高裁判所は上訴人の取り下げを受け異議申立てを却下し、当事者を控訴審へ戻すよう指示していた。しかし今回の判決は、直接上訴されていなかった2007年の州高等法院判断が存続し効力を有すると位置づけた。さらにEFCC設立法に基づく権限主張も、憲法が最上位である以上、既存の憲法解釈を上回ることはできないと断じた。EFCC側はコメントを拒否している。

判決の影響について、元国家人権委員会委員長のコディ・オディンカヌ氏は、全国的なEFCCの活動にも波及する影響があると指摘した。他の州でも同判決の恩恵を主張する動きが出ると予測し、司法保護を盾に政治家の横領が進む一方、同機関は学生や美容室への取り締まり強化で活動実績を示そうとする逆説的な展開を懸念する。また、判決発行から認証写しの入手が極めて迅速だった点にも言及した。今後の法廷戦行方や反腐敗機関の権限範囲に注目が集まる。

アルバネーズ政権のNDIS大改修を巡り、元労働党重鎮が急進的な改革への警鐘を鳴らす

オーストラリア連邦政府が断行する国民障害保険制度(NDIS)の大規模な見直しと予算削減措置に対し、同制度の設立に尽力した元州政府関係者が慎重な対応を求めている。元ニューサウスウェールズ(NSW)州健康・障害担当大臣であり、労働党内でNDIS推進の要だったジョン・デラ・ボスカ氏は、計画なしに支援体制を州政府へ移行することはリスクを抱えると警告。アルバネーズ政権が導入した法案では、今後4年間で362億豪ドルの節約を目指す一方、約16万人の参加者剥奪が見込まれている。

政府は年間成長率を2030年まで10%から約2%に抑制し、その後に5%へ回復させる目標を掲げている。しかしこの見通しは、NDIS開始時に州政府が閉鎖した障害支援サービスが未だ存在しない現状に依存しており、デラ・ボスカ氏は「初期の実施段階で政策作業が急ぎすぎ、不十分だった結果」と指摘する。また先月には、不正給付対策部隊の長も、制度の急激な立ち上げが不適切な利用や違反の温床となったと議会証言している。

デラ・ボスカ氏が2005年に担当を引き受けた当時の州政府システムは資金不足に喘ぎ、施設での集団入浴や尊厳を損なう環境が蔓延していたと振り返る。これらの課題を克服すべく構築されたNDISだが、連邦政府は既存枠組み外の支援再建に向け10年間総額100億豪ドルを割り当て、うち40億豪ドルが「スリーヴィング・キッズ」プログラムに充てられる予定だ。同プログラムは2026年10月から開始されるが、残る60億豪ドルの使途は依然として不明確な状態が続いている。

障害者権利団体「People with Disability Australia」のメガン・スペンドラー=スミス暫定CEOは、制度改革の地図は広大なのに期間が短すぎるため、地域が圧倒されていると訴える。各州も協議不足を非難し、クイーンズランド州などはまだ正式な参加を見合わせている。関係者は「システムの構築は一晩で完成するものではなく、政治的な駆け引きの道具にしてはならない」と強調。連邦と州政府、そして当事者の連携なくして、質の高い障害者支援の持続可能性は確保できないとの認識が現場に広がっている。

経済 (Economy)

南アフリカ航空SAA、暫定CEOが再建戦略を明らかにす 「財政救済ではなく成長促進が目的」

南アフリカ航空(SAA)グループの暫定CEOであるマシュテラ・セシベ氏が、国営航空キャリアの立て直しに関する戦略と課題について詳述した。政府支援や資金調達を求める姿勢を示しつつも、それは既存の財政赤字を穴埋めするための救済策ではなく、航空会社の使命を果たすための成長促進に限定されると明確に位置づけた。

セシベ氏はガバナンスと透明性を交渉不可能な優先事項とし、監査法人やサプライヤーとの信頼関係構築には「清潔な帳簿」が不可欠だと指摘する。しかし、公認会計士事務所からは意見留保を含む最悪等級の監査意見が提出されており、管理体制の不備や供給チェーン法違反による不正経費が問題視されている。運輸省は予算演説において、今後の株主支援が白紙の委任ではないことを示唆し、厳格な実施と健全な財務体質の維持を求めている。

運用面では一定の成果を上げており、昨年の運航実績では1万8,282便を実施し、フライトスケジュール遂行率は99.6%を記録した。傘下の機内食会社エアチェフズも、自動化プロジェクトの導入により3億7,200万ランドの収益と1億1,100万ランドの純利益を達成している。セシベ氏は乗客にとって最も重要な到着の正確性とサービス品質の向上を評価指標とし、継続的な改善を約束した。

一方で、内部統制の欠如と持続可能性に対する不確実性が重圧となっている。監査法人は修理費用8億9,600万ランドの検証や593億ランドに上る累積損失の再計算根拠を確認できず、資産の過大評価を指摘。取締役会は事業継続能力に関する重要な不確実性を公式に認識しており、歴史的な営業利益は持続可能な水準に達していないと認めざるを得ない状況だ。運輸省は航空燃料費の高騰に対応するため企業計画の見直しを指示し、路線最適化と厳格な機材管理を通じて事業継続を図るよう求めている。

今後、政府系評価システムの導入や契約後の監査強化など、責任追及型のガバナンス改革が進む見込みだ。暫定CEOの下で進む組織刷新と透明性の回復が、国民からの信頼回復と航空産業の安定運営へどのように結実するか、注目が集まっている。

住宅危機克服へ両党が税制改革を柱に方針転換─譲渡益税と所得税指数化の対立

オーストラリアのアルバネーズ政権と野党連立が、住宅問題の解決策として対照的な税制改革を打ち出している。労働党は1999年に導入された譲渡益税(CGT)の50%控除を撤廃し、インフレ連動調整へと戻す方針を示す。これに対し、連立与党はアンガス・テイラー氏を中心に、所得税の累進段階におけるインフレ調整(指数化)の復活を推進しており、税収配分を巡る両者の争いは今後2年間における主要な政治課題となっている。

労働党のCGT指数化復旧は既存投資には適用されず、2028〜29年度から本格化する。予算書類によれば初期の歳入増は13億5000万豪ドルにとどまるが、税制変更は直ちに行動変容を促し、既存物件ではなく新規住宅・アパートメントへの投資誘導を目指すと分析される。1999年の税制見直しは株式市場活性化を名目に消費者物価指数調整を廃止したが、結果的に不動産投資を刺激し住宅価格上昇の一因となったとの指摘がある。

一方、テイラー氏は「ブラケットクリープ」対策として1976年型の所得税指数化を再導入する構想を発表した。4年間の財政負担は220億〜350億豪ドルと推定され、財源確保のため環境対策や住宅官僚機構の縮小、福祉の市民限定化を挙げる。また、移民数を年間住宅着工数に連動させる枠組みを提唱し、自党の50億豪ドル住宅基金が40万戸供給すると見込むのに対し、労働党の21億豪ドル基金は6万5000戸と算定するなど、経済モデル推計を巡る数値の整合性にも疑問の声が上がっている。

住宅価格は移民流入や銀行融資の変化に加え、近年の金利引き下げによっても押し上げられており、単純な税制変更や移民枠調整だけでは解決に至らない複雑さがある。政府予測では2027〜28年度の純海外移民数が22万5000人に低下する見込みであり、仮に連立与党が政権を獲得した場合、住宅着工数に合わせて移民数を増やす必要がある可能性も示唆されている。両党の政策が実際に住宅供給拡大と家計負担軽減に結びつくか、そして財政健全化と都市開発の均衡をどう図るかが問われる局面を迎えている。

社会 (Society)

イタリア・モデナで車両暴走事件:メローニ首相が現場を視察、8人が重傷

イタリアのジョルジャ・メローニ首相とセルジョ・マッタレッラ大統領は、北イタリア都市モデナの主要商業街で発生した車両暴走および刺傷事件の被害者を見舞うため現地を訪れた。土曜日の午後、31歳のサリム・エル・クドリ容疑者が中心部を高速で走行し、複数の歩行員や自転車利用者に次々と衝突させた。当局の発表によれば、8人が重態で病院に搬送され、うち2人の女性は両脚を切断する重傷を負っている。

防犯カメラ映像では、車両が歩行者で溢れる通りへ突入する様子が記録されている。容疑者は逃走を試みたが、通行人4名によって取り押さえられ、その際に刃物を抜いて1人を負傷させた。地元検察庁は声明の中で、攻撃が「無差別かつ恣意的な方法」で実行されたと指摘した。メローニ首相はX上で事件を「極めて深刻」と評し、犯人を阻止した住民および警察官の対応に謝意を示した。首相は当初計画していたキプロス訪問を取消し、直ちに現場へ向かった。

捜査関係者によれば、エル・クドリ容疑者は1995年生まれで経済学の学位を有し、モロッコ系家族の出身ながらイタリア国籍を保有している。市内行政長官は、同容疑者が2022年に精神的な苦悩の時期を経験し、統合失調症様の障害に対し医療機関で治療を受けた事実を明らかにしたが、その後追跡を失ったとしている。麻薬性物質の影響下にはなかったとされ、自宅は既に捜索された。マテオ・ピアンテドーシ内務相は調査が継続中であることを明かし、テロリズム防止対策において何らの抜け漏れがなかったと強調した。

モデナ市長は、犯人の逃亡を阻止した4名の市民のうち外国人起源の者が2名含まれている点に言及し、こうした危機的状況下でも地域社会が団結し行動力を示す模範であると述べた。司法当局は攻撃の動機や背景を精査しており、事件の全貌解明に向けた捜査が続けられている。

科学・技術 (Science & Tech)

台湾におけるスターリンク導入協議、規制と安全保障の壁で頓挫

台湾のデジタル担当大臣である林宜敬氏は、スターリンク(Starlink)サービスの導入交渉が規制上の課題および国家安全保障上の懸念から進展していないと明らかにした。同氏は自身のフェイスブック上でこの見解を示し、専門家が台湾を含むアジア地域の一部で当該サービスへのアクセスが阻まれている現状に言及する中、現実的な障害が浮き彫りとなった。

議論の発端は、funP Innovation Groupの最高経営責任者(CEO)である邱繼弘氏が金曜日に発表した発言だった。邱氏は、中国、北朝鮮、アフガニスタン、シリアの計4か国に加え、台湾もスターリンクの利用権を持たないアジア地域の一つであると指摘した。同氏によれば、商業化から6年間でウクライナ、マレーシア、フィリピン、ベトナムなど世界166か国で利用可能となっているが、中国と北朝鮮は当該サービスをブロックしているという。一方、シリアについては状況が異なるとされる。

規制と安全保障の観点から慎重な立場を堅持する台湾当局と、グローバルなサービス展開を目指す民間企業の間には依然として溝が存在している。この対立構造は、台湾の通信インフラ構築のペースに影響を与え、関連する技術政策の方向性を巡る議論を引き続き生じさせるだろう。

スポーツ (Sports)

フェルスタッペン、ニュルブルクリンク24時間でドライブシャフト故障により優勝夢消す

レッドブル・レーシング所属の4度F1世界チャンピオンのマックス・フェルスタッペンが、ドイツで行われた「ニュルブルクリンク24時間」耐久レースへのデビュー戦で、終盤のドライブシャフト故障により優勝を逃した。チームメイトのルーカス・アウアー、ジュール・グノーン、ダニ・フンカデラと共にメルセデスAMG GT3を駆るフェルスタッペンは、フィニッシュ直前まで約30秒のリードを維持していたが、残り3時間20分でトラブルが発生しピットインを余儀なくされた。修理後にコースへ戻るも、勝機はすでに失われていた。

今回の大会は過去10年以上で最多となる161台、23クラスでの出走を記録し、週末チケットは歴史上初めて完売、観客動員数は主催者発表で35万2千人に達した。フェルスタッペンは走行後に「車は良好に機能しており、ペースを維持しながら安全を確保できた」と手応えを口にした。レッドブルとの契約が2028年まで残る同ドライバーは、来大会の参加についても「カレンダーの状況次第だが、確実に挑戦したい」と意欲を示した。

総合優勝を飾ったのは、マロ・エンゲルらを乗せたもう一台のメルセデスだった。フンカデラ氏は「素晴らしいスタートとスティント、適切なレインタイヤへの切り替えだった。他を2分差で引き離した。ドリームレースだったが、残念ながら3時間短く、そして3時間長く終わった。それがレーシングというものさ」と勝利の喜びと敗因を語った。今週日曜のイベント終了を受け、フェルスタッペンは次の目標をF1スケジュールへ向け、来週末のカナダグランプリへ注力することを明らかにした。

アレックス・スモーリーがPGA選手権で単独首位へ 史上最多の争奪戦に最終ラウンド突入

米国ペンシルベニア州のアロニミンク・ゴルフクラブで開催されているPGA選手権で、予選落ちも視野に入る長蛇の列を破り、ついにキャリア初となるメジャー大会の単独首位に立ったアレックス・スモーリー(米国)が注目されている。サードラウンドを終えた時点で通算アンダー6の204をマークし、2打差の追撃グループを振り切って最終ラウンドへ踏み切った。

今週は未だメジャーで優勝経験のない29歳のアメリカンが、第3ラウンドで終盤の好転劇を演じた。序盤のボギー続出から立て直し、最後の12ホールでバーディー7個を奪い、68ストロークで回り通算アンダー6を叩き出した。その結果、最終ラウンド開始時点でのリーダー群が史上最多の22名に上る混戦模様となり、タイトル争いは白熱している。最終組にはスモーリーとドイツ代表のマッティ・シュミットが出場し、両者ともPGAツアーでの勝利経験がないという点でも過去2022年全米オープン当時の組み合わせに重なるドラマ性を帯びている。

2位集団にはジョーン・ラームやニック・テイラーら実力者が並び、昨年のマスターズ優勝者であるローリー・マクロイらトップ選手たちも2打差以内で待機する。風が強く難易度の高いコース条件ながら、誰しもが逆転の可能性を秘めている状況下、スモーリー自身も「経験したことのない一日になる」と緊張感を口にする。歴史的な混戦譜面の中で、無名の若手がどのように頂点を制するか、最終日の行方が注視される。

IPLで新記録!コリーが対戦相手別最多得点記録を更新し、通算9シーズン連続500ラン超を達成

インド・プレミアリーグ(IPL)2026年シーズン、ロイヤル・チャレンジャーズ・バンガロールに所属するバティスト・ヴィラト・コリーが歴史的な快挙を成し遂げた。ダラムシャーラー開催のパンジャーブ・キングス戦において、単一反対チームに対するIPL通算得点記録を更新すると同時に、自身初の通算9シーズン連続となる500ラン以上獲得の里程碑も到達した。

コリーは同試合で37ボールを打ち58ランを記録し、15回の最終ボールでユズヴェンドラ・チャハルの投球により捕殺されるまで好調を維持した。これにより、対戦相手別のIPL通算最多得点記録を従来のチェンナイ・スーパーキングス戦における1174ランから、パンジャーブ・キングス戦における1217ランへと更新した。同リーグではロヒット・シャルマやデビッド・ワーナーらが後を追う形となっている。

また、今季の得点数は既に542ランに達しており、これがIPL史上初めてとなる9シーズン連続の500ラン超シーズンとなった。デビッド・ワーナーとKLラウルが7シーズン、シカール・ドワンが5シーズンで次点につける中、コリーの独走状態が続く。パンジャーブ・キングスのシェーヤス・アイアアーはこの試合で指揮官として100試合出場を記録した。

ロイヤル・チャレンジャーズ・バンガロールは現在12試合中8勝でポイントテーブル首位を走行しており、今季のコリーのような主力としての貢献がプレーオフ進出への確実性を高めている。一方、連敗脱却を目指すパンジャーブ・キングスとの激突は、両軍の現状を示す重要な試合となった。

ブルーノ・フェルナンデスがリーグ記録に迫る20アシスト達成、マンチェスター・ユナイテッドがノッティンガム・フォレストに3-2で勝利

マンチェスター・ユナイテッドは日曜日のホーム最終戦でノッティンガム・フォレストを3-2で破り、今季の躍進を象徴する勝利で古巣を去る者を送り出した。キャプテンのブルーノ・フェルナンデスはシーズン通算20アシスト目をマークし、プレミアリーグ歴代単一シーズン最多アシスト記録(テュリー・アンリ、ケヴィン・デ・ブライネと共有)に追いついた。ルーク・ショウ、マテウス・クニャ、ブライアン・ムベモが得点を挙げ、暫定監督から常任監督への移行が確実視されるマイケル・キャリック体制の下、チームは勝ち点68・3位確定の堅実なポジションを維持した。

試合は第5分にショウが先制点を奪い、3年以上続いたリーグ戦無得点状態に幕を下ろした。第53分にはフォレストのモラートが同点に追いつくも、第55分にクニャがシュートを突き放して逆転に成功。このプレーではムベモのパスコースに手の動きがあったとの疑義から長丁場のVAR判定が行われたが、得点は認められた。第76分にはフェルナンデスのクロスからムベモが冷静な仕留めで3点目を追加したものの、直後にモーガン・ギブズ=ホワイトが1点を返して終盤を緊迫させた。第80分には4年間在籍したカゼミロが交代すると、スタンドからは割れない拍手とスタンディングオベーションが贈られた。

1月にルベン・アモリンの後任として暫定監督に就任して以来、キャリック率いるチームは9試合中8勝と劇的な回復力を示している。試合後のセレモニーでキャリックは「この歓声は夜通し聞いていたい。自宅でシーズンを締めくくるなんて素晴らしいやり方だ」と語り続けるとともに、「今日のような観客席の盛り上がりを見るのは信じられない。我々は本日、非常に優れたサッカーを披露できた」と選手たちの姿を称賛した。一方で欧州カップ戦出場権争いでは、ブライトンやブレントフォード、サンダーランド、エヴァートンなどの競合他社が失点を重ね、上位入りの糸口を逸した。残り1試合となった今週末、ユナイテッドはブライトン戦で記録更新を狙い、アルセナルは優勝決定に向けて最後のステップを踏み出す。

本試合は単なる勝利にとどまらず、マイケル・キャリック体制下でのクラブ再生と、ブルーノ・フェルナンデスが築き上げた歴史的快挙を刻む節目となった。一時の低迷期を経てホーム戦場で輝きを戻した選手たちの姿勢は、来季以降のクラブの新たな基盤を形成するものと見られる。特にフェルナンデスのアシスト数が1つ増えるのみで歴代単独トップとなる可能性は、チーム攻撃陣の創造性を象徴する成果であり、常任監督就任を目前に控えたキャリック監督の手腕が次のシーズンでも高く評価されることを示唆している。